経済産業省・資源エネルギー庁は3日から高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する「文献調査段階の評価の考え方」の案に対し、パブリックコメントの受付を始めた。8月2日(必着)まで。
最終処分法では段階的な調査を経て処分地を選定することが規定されている。2020年11月から北海道寿都町と神恵内村では文献調査が始まっている。文献調査は関心を示した市町村に対し、地域の地質に関する文献・データを調査分析し情報提供することで事業について議論を深めてもらうもの。
評価の考え方の案では「最終処分法で定められた要件に照らした評価」「技術的観点からの検討」「経済社会的観点からの検討」で構成されている。この案は地層処分技術WG、放射性廃棄物WGで了承された考え方や基準と確認の仕方を整理しているもの。
国は候補地として市町村から応募があった場合や国の申し入れに市町村が受諾した場合、文献調査で2年程度、次の段階に進めることができればボーリング調査など概要調査に4年程度、さらに次に進めることができれば14年程度かけて地下施設での調査や試験等精密調査を行い、地域の意見で合意が得られれば施設建設に進む。「いずれの段階でも地域の意見に反して次へ進むことはない」としている。
WGは国が取りまとめるにあたって分かり易い表現を心がける事。原子力発電環境整備機構(NUMO)はWGで了承された基準と確認の仕方を実際の地点に適用し、住民の方々に説明する場合、WGにおける審議内容を考慮することを留意点として明記した。パブリックコメントへの詳しい内容は経済産業省HPで。
一方、放射性廃棄物WGで審議された「当面の取組方針2023」に基づき、国、事業者及びNUMOの合同チームによる全国行脚が今月から始まる。
経産省は全国行脚で「最終処分に関する最新の情報提供を行うとともに、関心地域に関しては説明や学習支援のほか、地域共生に係る自治体のニーズ聴取等を行う。訪問先はグリーン沿岸部を中心に、少なくとも100自治体を当面の目標とし、複数年かけてすべてのグリーン沿岸部訪問を目指す」としている。(編集担当:森高龍二)