日本経済団体は12日までに「主要政党の政策評価2023」を発表した。経団連の今年度の事業方針は「成長と分配の好循環を実現する」としており、岸田政権と同一目標を掲げる。
自公の政策を「高く評価する」とした一方、野党の政策については「主な野党がどのような政策を主張しているか検証した」と立憲・維新・国民を対象に主張をあげるのみで、評価は下さず。また共産党は対象外にしている。主張紹介だけでも「法人税を28%に戻す」「大企業優遇税制の見直し」「富裕税や為替取引税創設」など経団連に不利な主張が並んでいることを裏付けている。
経団連は与党について「自由民主党を中心とする与党は新しい資本主義を掲げ、デフレからの脱却・力強い経済の再生に加え、GX(グリーントランスフォーメーション)に向けた環境・エネルギー政策の推進やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、こども・子育て政策の強化などに精力的に取り組んでいる」と評した。
また「安全保障環境が厳しさを増す中にあって、G7広島サミットの成功、日韓関係の改善、防衛力抜本的な強化など、積極的な外交・安全保障政策を展開しており『高く評価できる』。成長と分配の好循環の実現により、わが国経済にダイナミズムを取り戻すべく、引き続き国民との積極的な対話を重ね、スピード感をもった政策の実行・推進を期待する」と経団連の提案を政策に次々盛り込む岸田政権との一体感を浮き彫りにしている。
岸田政権での原発政策に関して経団連は「再稼働の加速や運転期間の延長、次世代革新炉・核融合の研究開発の推進」を評価。課題に「原子力発電所の着実な再稼働、リプレース・新増設、革新炉・核融合の研究開発推進、高レベル放射性廃棄物の最終処分実現、系統網の整備、電力価格の低減」などをあげた。公明党に対しては「原発依存度の低減を掲げる中でも、原発新増設の検討は容認」としている。
野党の主張の中で原発については、立憲・国民を主な政策主張の中で取り上げた。立憲は「原発新増設に反対」、国民は「安全性を満たした原発の再稼働推進・次世代炉等によるリプレースの推進」と表記した。(編集担当:森高龍二)