【コラム】収支報告虚偽記載・不記載罪と連座制創設を

2024年01月28日 10:53

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自民党派閥による政治資金パーティー「裏金」事件で、自民党国会議員が相次ぎ政治資金規正法(虚偽記載・不記載)違反で起訴された

 自民党派閥による政治資金パーティー「裏金」事件で、自民党国会議員が相次ぎ政治資金規正法(虚偽記載・不記載)違反で起訴され、自民党は信頼回復へ岸田文雄総裁(総理)を本部長とする「自民党政治刷新本部」を立ち上げ審議してきた中間報告を25日の総務会で了承した。

 報告は冒頭の「お詫びと決意」で「政治家の倫理が強く問われている」「わが党は解体的な出直しを図り、全く新しく生まれ変わるとの覚悟で信頼回復に取組みを進めなければならない」としている。

 しかし解体的出直しとしながら、政治資金の透明性、特に「出口」(何にお金を使ったのかの報告)に透明性が担保されていないことや議員への「連座制」に言及せず「派閥解消」が主軸になる内容で本質を曇らせる内容になっている。

 問われているのは「カネの入り」と「カネの出」の透明性確保、政治資金収支報告への虚偽記載・不記載や「抜け穴」を作らない法改正と違反時の厳罰化であり、「派閥」の有無ではない。

 派閥の政治資金パーティーが裏金作りに利用されたが、これを認めた派閥と資金を受け不記載や虚偽記載した会計責任者、管理監督責任者であるべき国会議員の「倫理」のなさが問われるべき。

 今回、東京地検特捜部の立件を免れた安倍派の多くの議員が政治家として国民に対し「説明責任を果たす」ことがまず自民党政治刷新の第1歩だろう。

 それができない議員は政界から外れていただくほかない。岸田総裁には党のトップとして説明責任を果たすよう、その指導を行っていくべき責任がある。

 また(1)政治資金規正法の抜本的改革、『連座制』の導入(2)使途公開義務のない「政策活動費」の公開義務化(3)返納義務や使途公開義務のない「旧文通費」(月額100万円)の公開義務化と余剰金返納も義務にすることが政治とカネの『抜本的透明化』に踏み込むことになる。自民党こそがリードしていくべきだろう。

 少なくとも「政策活動費」や「旧文通費」の公開に踏み込み、野党案をたたき台とする覚悟が自民党への信頼回復の近道と自覚すべき。

 自民党は今回の問題を踏まえ「政策集団」による政治資金パーティーの禁止・外部監査の導入をあげ「政治資金報告書作成の経緯を書面で保存することを『求める』」とした。求めるのではなく、義務にすることが必要。また政策集団に限らず、政治資金パーティーは全面禁止にまでたどりつかせるべき。岸田総裁の指導力が問われている。(編集担当:森高龍二)