今、「あの旬の魚」が歴史的大漁! 冬の終わりを激ウマ鍋と熱燗で堪能する

2024年02月25日 10:30

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普段から日本酒を飲み慣れていないと、どんな日本酒を燗酒で飲むと美味しいのか分からないという人も多いだろう

2月も終盤に差し掛かると、春の訪れを感じさせる暖かな日が続くことがある。「三寒四温」とは、寒い日が3日ほど続いた後には温かい日が4日ほど続くという、この季節ならではの気候の変化を表す言葉だが、気象庁によると、今年の2月後半から3月にかけては寒気の影響が少なく、平均気温は4日どころか、しばらくの間、高い傾向が続きそうだ。ただ、低気圧や前線の影響で降水量は平年よりも多くなりそうな見通しだという。

 穏やかな春が少しでも早く訪れてくれるのは嬉しい反面、グルメ的には冬が足早に過ぎてしまうのは少し寂しくもある。旬の魚料理や鍋料理は、今のうちに堪能しておきたい。

 特に今、おススメなのが、天然のブリだ。近年、天然もののブリの漁獲量が急増しているが、中でも今年は歴史的な豊漁を記録している漁港が多い。例えば、ブリの特産ブランドを持つ福井県の日向漁港では、昨年のシーズンの7倍以上という水揚げを記録している。お陰で、旬の美味しい寒ブリが、例年のおよそ3割引きから半値近い値段で手に入れられるのだ。

 ブリといえば、刺し身はもちろん、ブリ大根や、塩焼きや照り焼きにしても美味しい。でも、もしも新鮮な寒ブリが手に入ったなら「ブリしゃぶ」をお勧めしたい。ブリはさっと湯通しすることで、食感と香りが増す。天然の寒ブリを味わい尽くすなら、これ以上の食べ方はないだろう。昆布出汁で頂いても良いし、貝類の出汁もとてもよく合う。

 そして、そのお供にはぜひ「燗酒」を選んでいただきたい。ビールやハイボール、チューハイもよいが、やはり「鍋に合う酒」といえば、日本酒の燗酒の右に出るものはないだろう。アミノ酸が多く含まれる日本酒は、鍋の旨味を一層際立たせてくれる最高のパートナーだ。

 とはいえ、普段から日本酒を飲み慣れていないと、どんな日本酒を燗酒で飲むと美味しいのか分からないという人も多いだろう。そこでチェックしていただきたいのが「全国燗酒コンテスト」の公式サイトだ。

 同コンテストは、「燗」という日本酒ならではの魅力をアピールすることを目的に、株式会社酒文化研究所が毎年開催しているもので、酒造技術者、酒類流通関係者、酒類スクール講師など、50名以上の専門家による厳正な審査により、温めておいしい日本酒が選ばれるコンテストだ。

 最新の審査結果では、全国の酒蔵241社から808点もの日本酒が出品され、最高金賞42点、金賞206点の合計248点が選出されてホームページ上で発表されている。面白いのは、「お値打ちぬる燗部門(45℃)」「お値打ち熱燗部門(55℃)」「プレミアム燗酒部門(45℃)」「特殊ぬる燗部門(45℃)」と、飲む人のニーズや目線に沿った部門別に選出されている点だ。「猫舌なので、熱燗よりもぬる燗がいい」とか、「せっかくだからプレミアムな日本酒を」など、サイトの受賞ページを好みや気分で選ぶためのカタログ的な利用もできる。

 例えば、「お値打ちぬる燗部門」では、秋田県の株式会社北鹿の「大吟醸 北秋田」や埼玉県の株式会社小山本家酒造「金紋世界鷹 純米吟醸」などが最高金賞に選ばれた。また、「白鶴 サケパック 香る純米 香り織り」や「白鶴 杜氏鑑」などが金賞に選ばれている。特に「香る純米 香り織り」は、「トロピカルフルーツを思わせる香り」なのに、燗して美味しいというギャップ、意外性が興味深い。香り豊かでリッチな味わいの純米酒で若い女性にも人気があるようだ。

 今、日本はインバウンドが復活して、全国各地でコロナ前の賑わいを取り戻しつつあるが、訪日客の多くの目的の一つが、日本食と日本酒だといわれている。そんな世界の人たちが殺到する日本の食文化を、日本人が楽しまないのはもったいない。ぜひ、熱燗をお供に美味しい鍋料理で冬の終わりを堪能していただきたい。(編集担当:藤原伊織)