5年43兆円防衛費「現実的模擬実験積上げ」と

2024年04月07日 08:24

 岸田文雄総理は8日から国賓として米国を訪問する。日米同盟をより強固なものにするとともに、内外に日米同盟の強固さをアピールする狙いだ。中国の海洋進出を念頭に日米比3か国首脳会談も訪米中に行う。

 木原稔防衛大臣は直近の記者会見で「我が国の抑止力・対処力を向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させていく。そのため防衛力の抜本的強化実現に向け全力で取組む」と5年間で43兆円を注ぎ込む必要性と意思を強調した。

 43兆円の根拠について「極めて現実的なシミュレーション(模擬実験)をはじめとする様々な検討を行って、必要となる防衛力の内容を積み上げた結果だ」と述べた。

 特に「中国は東シナ海・南シナ海で力による一方的な現状変更や試みを継続・強化している。北朝鮮は弾道ミサイルを発射するなど核・ミサイル開発を進展させている。ロシアはウクライナ侵略とともに我が国周辺でも活発な軍事活動を継続している」と安全保障環境の近年の変化を強調。

 木原大臣は「必要となる防衛力の内容について予算をしっかり確保し、戦略3文書策定から5年後の2027年度までに我が国へ攻撃が行われたとしても、我が国が主たる責任をもって対処できるよう防衛力を緊急的に強化する必要がある」と語った。

 また「1か国でも多くの国々と連携強化することが極めて重要であり、日米同盟の更なる強化に加えて同志国等との連携を強化する」と述べた。ただ、岸田総理は防衛力装備の強化が外交交渉能力を強化することになる、などと防衛装備という名の『軍備』を背景に外交交渉力をあげる発想を鮮明にしており、平和外交交渉にこの思考は平和憲法の理念に則わない危険な考えとの指摘もある。(編集担当:森高龍二)