重要経済安保情報保護法案が9日、自民・公明・立憲・維新・国民の賛成多数で衆議院を通過、審議の場は参議院に移った。共産・れいわは反対した。
立憲の長妻昭政調会長は「情報の指定や解除、適性評価の実施状況を国会に報告し、公表することを義務付けたほか、首相が情報の指定状況などについて有識者に報告し、意見を聞くことなど、我々が提案した『国会の情報監視審査会でのチェック』を含む5項目からなる修正案を与党側がすべて受け入れたので、賛成するに至った」との談話を発表した。
長妻氏は「法案は経済安全保障の確保と経済活性化の両立を図るものとして一定の評価が出来る一方、秘密指定の対象や身辺調査の対象が法文上明確でないなど、国民の知る権利やプライバシー保護などとの関係で問題点が多いうえ、とりわけ特定秘密保護法との関連で、秘密保護法制の適用拡大への懸念が強くあった」と当初の政府案に対して修正案を出した旨をあげた。
長妻氏は「今後も参議院での慎重かつ丁寧な審議等を通じて、今後の運用基準の閣議決定や政令の指定を注視し、不断の行政監視を続け、法案の弊害や国民の不安が解消されるよう最大限努めていく」としている。
一方、共産党の塩川鉄也衆院議員は衆院本会議での反対討論で「米国などの同盟国・同志国と財界の要求に応え、兵器の共同開発を推進するもので、憲法の平和主義を投げ捨てる暴挙」と強く訴えた。
同党の山添拓政策委員長はエックスで「経済秘密保護法の衆院可決に断固抗議する。『適性評価』というが、政治的思想や病歴、信用情報など機微な個人情報を根こそぎ調べ上げ、その対象は民間労働者や技術者、研究者など際限なく拡大。報道や国会の行政監視より政府の都合による秘密が優先される国にしてはならない」と警鐘を鳴らした。(編集担当:森高龍二)