自衛隊が事実上、米軍指揮下 首脳会談の中身は

2024年05月07日 06:53

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「政治とカネの問題」で後半国会最大の論点は「政治資金規正法の改正」など抜け道を許さない実効性のある法定をどこまで実現できるか

 「政治とカネの問題」で後半国会最大の論点は「政治資金規正法の改正」など抜け道を許さない実効性のある法定をどこまで実現できるかだが、ほかにも日米首脳会談はじめ米国議会での岸田総理演説をめぐる内容について国会での熟議が求められる。

 日本共産党の田村智子委員長は主催者発表で3万2000人が集まった「2024憲法大集会」あいさつで、4月の日米首脳会談に触れ「岸田文雄首相は米軍と自衛隊のアップグレードの連携を約束してきてしまった」と問題を含んだ会談だったと指摘。

 その意味するところについて田村氏は「アメリカのミサイル戦略『統合防空ミサイル防衛(IAMD)』の基本方針に『同盟国とのシームレスな統合』ということが書いてある。米軍公式文書には、インド太平洋の同盟国を米軍の指揮下に置く、そのために『主権の一部を切り離させる』ということまで書いてある」と許してはならない記述まであると指摘し「自衛隊を米軍の事実上の指揮下に置く、自衛隊の指揮命令というわが国の主権を日本から切り離し、米軍に委ねろということではないか」と問題を提起した。

 4月22日の衆院予算委員会で志位和夫議長がこの問題を取り上げている。志位氏は岸田総理に対し「(米国のJADC2=指揮統制システムでは)同盟国に主権の一部を切り離させる、政府あげてのアプローチが必要だ、とまではっきり明記している。こうした方向に進むことを日米首脳会談で合意してきたのじゃないか」と追及。

 岸田総理は「主権国家として安全保障を考えた場合、日本の平和憲法の外側にはみ出るなどということは決してあってはならないと思っている」と憲法違反行為、憲法の範疇を超える対応はしない旨を強調した。

 志位氏は「自衛隊は独立した指揮系統というが、その保証があるのか。あなたは一つの保証も示せなかった。建前を言っただけだ。私が聞きているのは、その実態的保証だ」と指摘し、「自衛隊が事実上、米軍の指揮下に置かれることになる」と強い危機感を示した。

志位氏は憲法記念日の3日にはXでこの問題を取り上げて「これで独立国といえるのか?」と改めて批難した。国会で首脳会談の中身について岸田総理は国民に対し説明することが求められている。(編集担当:森高龍二)