立憲民主党の長妻昭政調会長は16日の記者会見で警察庁が65歳以上の孤独死が参考値として年間推計6万8000人に上ると衆院決算行政監視委員会で明らかにしたことを受け、5年に1度の年金財政検証の期限までに「孤独死」の定義を明確にした上で、政府には孤独死に至る経路を調査して社会保障政策に役立ててほしいと求めた。
長妻氏は高齢者問題について暮らしについては「年金は今後、基礎年金の実質価値が(物価が上がっても年金が上がらないため)3割下がる。高齢者の5人に1人、東京では4人に1人が1人暮らしで、65歳以上の公的年金1人当たり月額10万円以下の方が46%、高齢者1人暮らしの女性の46%が貧困(相対的貧困率)にある。また高齢者の1人暮らしの3人に1人、東京では2人に1人は持ち家がない現状で、認知症問題もある」などを指摘し「あらゆる社会保障を総動員して見守りのネットワークの構築が喫緊の課題」と提起した。
この日の会見で長妻氏は高齢者の孤独死について「自宅で1人暮らしの方で亡くなり、警察が扱った1月~3月までの期間で65歳以上の方が1万7034人おられ、単純に年間換算すると約6万8000人になっている。政府答弁で警察取り扱い死体というのは不自然な死を遂げた可能性のある方ということ。日本の最重要課題であり人間の尊厳の問題」と重要案件としての取組みの必要を指摘した。
そのうえで「孤独死される方はセルフネグレクト(自己放任)にあるとの指摘も有識者からある。わたしはお金が大変で病院にかかれない、重い病気と思うけれどもこのまま自宅でなくなるのであればなくなってもいいと思われる方々もおられるのではないか、物価が高いので食事もなかなかとらず、自宅で寝ているなどのセルフネグレクトの方もおられるのではないか、ひきこもり、孤独、自殺など」を懸念し、深刻な課題として問題提起した。(編集担当:森高龍二)