東京都知事選挙に出馬表明している蓮舫参院議員は30日、再開発に賛否両論出る東京・明治神宮外苑の再開発について、国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会が昨年7月から8月に日本で実施した調査報告書の中で、明治神宮外苑の再開発が「人権に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘していることを紹介のうえ「重い報告」としたうえで「神宮外苑も含めて都政の課題となっている所へできる限り足を運びます」とXで発信した。
神宮外苑再開発は樹木伐採や移植で野球場やラグビー場建て替えと高層ビル建設を予定、この計画に自然や景観を害すると見直しを求める声があがっている。
日本弁護士連合会も「神宮外苑は大正時代に国民の献金、献木、勤労奉仕により造られた約100年の歴史を有する都心部の貴重な緑豊かな環境で、全国で初めて風致地区に指定され、都市計画公園にも指定されている。特にイチョウ並木の聖徳記念絵画館の風格を際立たせる眺望景観は神宮外苑銀杏並木周辺景観形成特別地区として特別に保護されてきた」と指摘。
そのうえで「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業はこの神宮外苑において3000本以上(高さ3メートル未満のものを含む)もの樹木を伐採・移植し、高層ビルの建設、神宮球場及び秩父宮ラグビー場の建て替え等を行う事業で、適切な環境影響評価を経なければ、自然環境・歴史的文化的環境が大きく損なわれる可能性がある」と警鐘を鳴らした。
また「森の植生調査について高度な知見実績を有する専門家の出席や資料の提出を要請して調査審議し、事業者の環境影響評価書が客観的かつ科学的であることが明らかになるまで神宮外苑地区再開発工事の停止を検討することを求める」との会長声明を出している。
都知事選挙(6月20日告示、7月7日投開票)には広島県安芸高田市の石丸伸二市長ら20人以上が出馬予定だが、現職の小池ゆり子知事がいつ出馬表明するのか、その時期を含め、蓮舫氏の出馬表明で全国からの注目度が上がっている。(編集担当:森高龍二)