気象庁が7月18日に発表した、7月20日~8月19日にかけての1か月予報によると、全国各地で気温が平年より高く、猛暑となる見込みだ。10年に1度程度しか起きないような著しい高温となる可能性も高く、危険な暑さが続くため、熱中症に対する厳重な警戒を呼び掛けている。
とはいえ、せっかくの夏なのだから、やはり外に出て思い切り遊びたいものだ。
花火大会や夏祭り、多くのレジャー施設でも夏限定のイベントが開催されている。中でも夏のレジャーといえば、何といっても真っ先に頭に浮かぶのは、燦々と輝く太陽の下に広がる青い「海」じゃないだろうか。ところが近年、コロナ禍の影響やレジャーの多様化等で、全国の海水浴場では海水浴客が減少傾向にあるという。
例えば、大阪の阪南市が例年、7月8月に開設していた箱作海水浴場、通称ぴちぴちビーチは今年度の開設を見送ることを発表し、水難事故防止の観点から遊泳自粛を呼び掛けている。夏の始まりに似合わない残念なニュースが報じられる一方、ビーチの混雑が少なくなることで、ファミリーやカップル同士でも安心して海水浴が楽しみやすくなったとの見方もある。確かに昭和・平成時代の真夏のビーチは大混雑で、アクセスの良い海水浴場は「芋洗い」と揶揄されるような状況だった。駐車場に車を停めるのも一苦労で、楽しいはずの思い出が台無しになることもしばしばだった。そんな状況も、海水浴客減少の一因となっているのではないだろうか。
とはいえ、明るい話題ももちろんある。そのひとつに兵庫県淡路島にあるフロリックアドベンチャーパークがある。「最高・唯一の水上体験を!」と銘打ったこの施設は巨大滑り台をはじめとしたアトラクションが43種類以上あり、子供の入場制限(5歳以下は入場不可)があるが家族そろって楽しめる海上施設として大変人気だ。
また、夏の海には欠かせない「海の家」も、令和時代に入って大きく変貌しつつある。
昭和・平成時代の海の家といえば、シーズン終わりに解体することを見込んで、安普請で古い資材を使い回したようなものが多かった。しかし、令和時代の海の家は、オーナーのセンスを活かしたセルフビルドのお洒落なものが増えている。
今年7月に、神奈川県の材木座海岸に開店した「ZAIMOKUZA BEACH HOUSE 〜La Tika〜」は、日本最大級の海の家だ。屋外席300席、総席数320席を誇り、バーベキューなどの食事はもちろん、音楽ライブやフラダンスなどのイベントも開催されており、ただの海水浴だけで収まらない楽しみを提供してくれる。鎌倉の海に沈む夕日を眺めながら、夜が更けるまで楽しめること間違いない。
また、同じく神奈川県の逗子海岸では、2019年に個人で配信リリースした「香水」が大ブレイクして一躍時の人となったシンガーソングライターの瑛人と、彼がかつてアルバイトをしていたという横浜の50’sアメリカンダイナー「PENNY’S DINER」、そして日本酒メーカー大手の「白鶴酒造」がスペシャルコラボレーションした海の家「BRIGHT ZUSHI by BLUE MOON」が6月にオープンし、早くも人気を集めている。「BRIGHT ZUSHI by BLUE MOON」は、店名にもある通り米国No.1クラフトビール「BLUE MOON」と共にラグジュアリーな大人の雰囲気と音楽が楽しめる2階建ての海の家で、1階席ではカジュアルに食事が楽しめ、2階席では水平線が一望できるラグジュアリーな空間を提供している。オレンジの香り豊かな「BLUE MOON」はビール好きにはもちろん、そうでない人にも好評のようで、同店が提供するバーベキューなどのメニューとの相性も抜群だ。
ここに挙げた他にも、日本全国のビーチで素敵な海の家が増え始めている。かつては海水浴の休憩所でしかなかった「海の家」だが、これからは「海の家」を目当てにビーチを訪れて、そのついでに海水浴を楽しむというスタイルも増えてくるのではないだろうか。
熱中症や水難事故には十分注意しながら、夏を存分に満喫してほしい。(編集担当:藤原伊織)