防衛省は防衛力の抜本的強化を図るとして来年度予算に8兆5389億円を概算要求した。対前年度比8140億円、率にして10.5%の大幅増になっている。
2035年完成を目指す日英伊3か国共同開発の次期戦闘機開発費に1127億円を充てたほか、12式地対艦誘導弾能力向上型スタンド・オフミサイルなど1年前倒しでの取組みやスタンド・オフ防衛能力に必要な目標の探知・追尾能力獲得のための来年度末からの衛星コンステレーションの構築などに必要な費用を計上する。
また宇宙領域に関して現在運用中のXバンド防衛通信衛星(きらめき2号機)の運用が2030年度で終了することから次期防衛通信衛星などの整備費用へ1353億円を充てた。防衛省は「航空宇宙自衛隊への改称も見据え、宇宙空間の監視や対処任務を目的とする『宇宙作戦団(仮称)』を新編する」計画だ。
また島嶼部等へ必要な部隊等を確実に輸送するために民間船舶を現行の2隻から8隻体制にするための費用509億円を計上。加えて中型級船舶・小型級船舶・機動舟艇を1隻ずつ取得し、共同の部隊として新編される自衛隊海上輸送群(仮称)で運用するとして、この3隻分203億円を計上した。このほか、F35B戦闘機3機取得に608億円、F35A戦闘機8機取得に1249億円を充てている。潜水艦に関しては1隻1161億円を充てた。このほか女性自衛官の教育・生活・勤務環境の基盤整備に164億円を充てた。(編集担当:森高龍二)