海上自衛隊練習艦隊の実習幹部が靖国神社境内の「遊就館」で今年5月10日に研修を行ったと朝日新聞が14日に報じたのを受け、日本共産党の機関誌「赤旗」は18日「(防衛省へ取材したが)神社への集団参拝の有無など『部隊への事実確認等に時間を要する』と(事実関係を)明らかにしていません」と報じた。
遊就館は「旧日本軍の侵略戦争を美化する靖国史観宣伝施設というべき」側面があり、誰でも自由に見学できるし、個人として歴史の一端を知る材料として展示資料をみるのは自由だが、自衛隊の部隊が集団参拝し、研修に利用するのは事務次官通達に違反の疑いがあるほか、靖国神社を特別視することにつながりかねない。
昨年5月に海自練習艦隊165人が停泊地から公用バスで靖国神社付近まで移動したことが赤旗で報じられているが、この事案でも「事実関係を調査中」と防衛省は今も確認できていないよう。
靖国神社はA級戦犯を合祀しており、合祀以来、昭和天皇以降の歴代天皇も同神社には親拝されていない。また靖国神社は共同通信の取材に「自衛官が戦死しても靖国神社に祀ることはしない」と2015年8月に回答している。また憲法は政教分離の原則を掲げ、国やその機関のいかなる宗教的活動も禁じている。(憲法20条3項)(編集担当:森高龍二)