日本経済団体連合会などが求めるジョブ型人事や労働市場の流動性を高めるため、労働者の学びなおしを支援するなど三位一体の労働市場改革に取組んでいる岸田文雄総理は4日、都内で開かれた日経リスキリングサミットで特別スピーチし「三位一体の労働市場改革を進めてきたが、社会に根付かせる観点から、このサミットは大きな役割を果たしている」とジョブ型人事や労働流動性促進に貢献していると評した。
岸田総理は労働生産性の向上を最優先している模様で、日本の特性であった「終身雇用制」を廃し、ジョブ型人事で「職務給」による給与体系に切り替え、職務がなくなれば解雇できる、経営側有利な制度にすることが企業の国際化に必要とみている。
特別スピーチでは「キャリアは会社から与えられるものから、1人1人が自らのキャリアを選択する時代となってきた。職務ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、働き手が自分の意思でリ・スキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要」と強調。
「若い方もシニアの方も、年齢にかかわらず、能力を発揮し働くことができる環境整備をしていきたい」と労働の流動性をさせる考えを強調した。新しい資本主義経済の基盤がここにあるようだ。
岸田総理は「内部労働市場と外部労働市場をつなげ、社外からの経験者採用にも門戸を開き、働き手が自らの選択によって、社内外に労働移動できるようにしていくことが、持続的な賃上げと日本経済成長のために急務で、ジョブ型人事の導入の重要性がここにある」と語った。
岸田総理は「経済対策で措置した7兆円規模の国内投資支援などをフル活用し、全国で良質な雇用機会が創出されるよう、政府としても取組みを進める。日本全体でリ・スキリングを推し進めていくためには政府、企業、教育機関、個々の働き手の意欲が結集し、三位一体の労働市場改革を進めていくことが不可欠」と強調した。(編集担当:森高龍二)