自民党の石破茂新総裁の下、1日の臨時国会での首班指名で石破総理誕生、石破内閣発足となるが、すでに閣僚や自民党役員主要ポストに名の挙がるのが、敵基地攻撃能力保有の必要を唱え、実現に至らせた小野寺五典衆院議員(防衛大臣を3度経験)はじめ、中谷元衆院議員(防衛庁長官、防衛大臣、安保法制担当大臣を経験)、岩谷毅衆議院議員(防衛庁長官政務官、防衛大臣を経験)といずれも防衛大臣経験者。
小野寺氏は政調会長に、中谷氏は防衛大臣に、岩谷氏は外務大臣に就かせる人事が伝えられている。石破氏の目指す「日米安保条約改定」や「アジア版NATO」構築への体制づくりがこの顔ぶれからも顕著になってきた。そのための憲法改正への動きにも拍車がかかることになりそう。
石破氏は米国に基地提供するかわりに日本が他国から侵略を受けた場合に日本を守る義務を米国が負うとする現行の「日米安全保障条約」を改定し、相互に防衛義務を負う、いわゆる「対等な関係」にすることを目指している。
あわせて日米安保、韓米安保、比米安保など米国を要とするインドを含めたアジアの国々で集団的安全保障体制を構築する「アジア版NATO」構想を有しており、アジア地域への核持ち込みも是とする考えだ。
日本共産党の田村智子委員長は30日までの会見で「日米軍事同盟がゼッタイという立場で良いのか。軍事同盟をインド・太平洋にまで広めるというような東アジア版NATOを石破氏は主張されている。これは軍事同盟強化一本ヤリというもので、これがほんとに日本に平和をもたらすものなのか。軍事対軍事の緊張をいよいよ強めることにならないかということが問われている」と慎重な対応を求め「国会論戦に挑んでいきたい」と強調した。(編集担当:森高龍二)