朝晩が涼しく、めっきりと秋らしくなってきた。観光やレジャーの計画を立てている人、出掛ける先を探しているという人も多いのではないだろうか。
秋といえば、芸術の秋。全国各地では、芸術の秋を満喫できる催しも増えている。
例えば、岡山県北部の地域では、国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が9月28日から開催されている。出雲街道を軸に、城下町、宿場町としても栄えたこの地域には、さまざまな伝統建築や工芸、芸能などが残されている。また、豊かな森林資源と、蒜山高原、美作三湯、鍾乳洞などの悠々とした観光資源にも恵まれた土地だ。同芸術祭は、そんな岡山北部地域の森がもたらす「恵み」を芸術の力で未来に向けて活性化することを目的としたものだという。
同芸術祭には、日本航空や日本生命などのスペシャルパートナーをはじめ、様々な企業や団体が協賛、協力している。そんな企業の一つ、鏡野町の山田養蜂場では、森の芸術祭開催期間に合わせて「山田養蜂場ギャラリー特別展」が11月1日から11月10日の期間限定、完全予約制で開催されている。「山田養蜂場ギャラリー」は、普段は基本的に一般非公開だが、ミレーやコロー、ルソーなどバルビゾン派の絵画や版画などの貴重な美術品を秘蔵していることでも知られているギャラリーだ。今回の特別公開では、印象派のモネやルノワール、現代フランス絵画の巨匠 ビュフェなど、フランス絵画の歴史を感じられる約400点の貴重な作品を特別に鑑賞することができるとあって、全国から美術ファンが訪れているようだ。
また、長野県の大町市では11月4日まで「北アルプス国際芸術祭2024」が開催中だ。
同芸術祭は、2017年から3年に一度開催されており、今回で3回目の開催となる。北アルプスの雄大な景観と東山の丘陵に囲まれた田園地帯を背景に、市内をダムエリア、源流エリアなど、特徴ごとに5つのエリアに分け、「水・木・土・空」をコンセプトにしたアート作品を展示している。週末になると様々なパフォーマンスも開催されているので、それを楽しみに訪れる人も多いようだ。
そして、日本でも有数の豪雪地帯である、新潟県の越後妻有(えちごつまり)地域では、2000年から開催されている世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024」が11月10日まで開催されている。長い冬が訪れる前の、鮮やかに彩る里山の風景の中、300点近いアート作品が展示されている。エリアが広大なのでバスツアーを利用する人も多いようだ。今や新潟県を代表する観光スポットである「清津峡渓谷トンネル」も、2018年の大地の芸術祭にて、アート作品として改修されたものだ。今回、同じアーティスト、マ・ヤンソンMAD Architectsによる新作「野辺の泡」が展示されており、話題となっている。
この他にもまだまだ、今しか体験できないアートイベントが全国各地で開催されている。秋の美しい景色や歴史、グルメとともに芸術の秋を堪能してはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)