11日召集される特別国会。衆院の予算委員会の委員長ポストを立憲民主党が確保することとなった。7日の自民党と立憲の国対委員長会談で合意した。国会改革に向けた大きな第1歩といえる。
衆院には予算委員会はじめ内閣委員会、総務委員会、法務委員会、厚労委員会、文科委員会など17の常任委員会があるが、国民にとって最もわかりやすいのは委員長ポストの配分を今回の総選挙での議席獲得数を反映したものにすることだ。
委員長ポストは自民8、立憲6,日本維新の会・国民民主党・公明党がそれぞれ1のポストとなった。
今回、こうしたポスト配分で決まったが、特に望ましいのは国会改革の視点から委員長を議長が指名するというこれまでの慣例による方法ではなく、委員長については国会法第25条に基づき本会議で常任委員の中から選挙で委員長を選出する方法に基づいて行うことでもよかったのではないかとも思われる。
与党が衆院議席で過半数を割っていることから、与党側も安倍政権以来続いてきた国会軽視の姿勢から、これまでより丁寧な議案審議を行うことになると思われるが、委員長の職権で委員会を強行に開き、法案を通過させるような馬鹿げたことは避ける必要があり、7日までに開かれた衆院議院運営委員会にかわる各派協議会では常任委員会の委員数の割り振りで、全委員会で与党が過半数を割ったが、今回、予算委員長を野党が確保できたことにより、国民にとっては国会での熟議が期待できる結果を生むことになるだろう。
野党第1党の立憲民主党・野田佳彦代表は「(国会改革は)みんなが力を合わせれば進めることができる。国会の風景をこの特別国会から変えたい」と強い意欲を見せてきた。
特別国会の会期は4日間と与党の提案通りになったものの、補正予算審議前の予算委員会開催も決まった。特別国会後の臨時国会、来年の通常国会、その先の参院議員選挙を見据え「政治改革」で実効をあげることを野党一丸となって形にし、国民に示してくれることを期待したい。
特別国会では第2次石破内閣発足になるだろうが、石破茂総理・総裁であるがゆえに、野党と協議し、政治改革に逃げずに答えを出していくことも期待される。石破総理は5日の党役員会で「政治改革に早急に取組み、答えを出していかなければならない」と来夏の参院選挙もにらみ、国民が求める改革に具体的な答えを出さなければならないとの危機感を隠さない。与野党ともに、本気で政治改革を実現してほしい。(編集担当:森高龍二)