原発推進へ羅針盤の塗り替えを評価、電事連会長

2024年12月25日 06:46

 電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は経団連や自民党とともに政府へ要請通り「第7次エネルギー基本計画原案」で東電福島第一原発事故を踏まえた「可能な限り原発依存度を低減する」との文言が削除され、「原発を最大限活用する」と180度方針転換する姿勢を鮮明にした政府原案に「これまでのGXの議論を踏襲しS+3Eの基本原則の中でエネルギー安定供給を第一として整理されている」と高評価した。

 会見で林会長は「エネルギー安定供給へ事業者の投資回収予見性確保を可能とする制度措置やファイナンス措置などの事業環境整備の必要性が明記されたことは大変意義あるものだ」とも語り「特に再エネと原子力を二項対立としてとらえず、共に最大限活用していく方針が示されたことも重要だ」と述べた。

 林会長は「将来のGXとエネルギー安定供給確保の同時実現に向けて中心を担う原子力については最大限活用していく旨が明記されたことは大きな転換と考えている」と原発政策が大きく転換したと強調。

 また「これまでのGXの基本方針では認められていなかった廃炉を決定した原子力事業者が事業者単位で保有する発電所の敷地内でリプレースが可能となる記載内容となったことは事業者の選択肢を広げることになる」と原発推進へ「エネルギー政策の羅針盤」を塗り替えた姿勢を歓迎した。

 そのうえで「来年(2025年)は次期エネルギー基本計画のもとで安定供給の確保とGXの同時実現に向け制度設計などを具体化し、歩みを確かなものとし実行する年にすべきと考えている」とした。(編集担当:森高龍二)