経済同友会の新浪剛史代表幹事は23日開かれた新しい資本主義実現会議で「人材流動化を進めることが企業の新陳代謝を活性化し、真に競争力ある企業が生き残る経済社会構築につながる」と提言。長時間労働容認へ労働基準法の適用除外を明確化する労働契約法の改正に向けた議論を求めた。
新浪氏は「企業と個人が生産性を高め、競争力を強化するためには流動性の高い労働市場を形成し、人材を一つの企業の中で抱え込むのではなく、経済社会全体で個人の能力を引き出す発想に転換する必要があり、制約となるものを排除していかなければならない」と強調。
加えて「人材の獲得競争に対応できず、 魅力的なジョブや報酬等を提示できない企業は、個人から選ばれず淘汰されていくことはやむを得ない」とし「多様な個人の活躍を可能とする労働法制への見直しを」と求めるとともに「厚労省調査では労働者の1%程度が 自己成長のために長時間労働を好ましく思っている。このような方々がイノベーションの担い手であり、令和時代に合った雇用制度には成果に基づいて報酬を得ることを前提として、自律的に働く個人の多様なニーズに応える柔軟性が求められる」と提起。
新浪氏は「労働基準法の適用除外を明確化する労働契約法改正に向けた議論を進めるべき」などと労働基準法にとらわれず、長時間労働を認めるため労働契約法改正を求めた。そのうえで「健康管理に関して事業者側に義務付けることや悪質企業による濫用防止に向けたガイドラインを整備する必要」も提案した。(編集担当:森高龍二)