TOYOTA、移動店舗などにマルチユーティリティの自動運転BEV「e-Palette」展開開始

2025年09月18日 07:25

TOYOTA e-Palette

トヨタの新しい提案、多目的移動体「e-Palette」 登録は商用車 ボディサイズは全長×全幅×全高4950mm×2080mm×2650mm、室内サイズが室内長×室内幅×室内高2865mm×1780mm×2135mm 価格は2900.0万円(消費税込み) 購入には「商用車等の電動化促進事業」の対象で、補助金額1583.5万円が受けられる

 トヨタ自動車は9月15日、さまざまなモビリティサービスに活用できるバッテリーEV「e-Palette」(イーパレット)の販売を開始したと広報発表した。

 e-Paletteは、広い室内空間や大型ウインドウガラスによる開放感を活かして、人々の移動に限らず移動する店舗やサービス空間など、箱型のクルマを使ってさまざまなモビリティサービスに対応するよう設計した移動体・マルチEVだ。ユーザーの自由な発想によるマルチな使い方を通じて新たな移動体験を提供する。同時にと、高い意匠性をもった外観により、街の景色にも溶け込む。

 e-Paletteの原型は、2018年1月に米ラスベガスで開催されたCES2018において発表。自動運転をベースとしたモビリティサービスEVとして出展。その後、開発が進み、今回発売されるイーパレットではコクピットを装備、ステアリングはレクサス RZ用に開発が進むステアバイワイヤの異形ステアリングを備え、レベル2の自動運転を実装している。

 e-Paletteの具体的な今後の展開は、まずは台場にオープンする多目的スタジアム「TOYOTA ARENA TOKYO」およびその周辺エリア、富士山麓の実験都市「Toyota Woven City」から導入し、輸送サービスでの活用や物品等を販売する移動型店舗など、さまざまな取り組みを進める。加えて、一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実証などを進め、2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指す。

 基本的な諸元を紹介しよう。ボディサイズは全長×全幅×全高4950mm×2080mm×2650mm、室内サイズが室内長×室内幅×室内高2865mm×1780mm×2135mm。5mを切るコンパクトな全長だ。定員は17名、4座席+12立席+1ドライバーで、収納タイプの椅子や車いすで乗り降りが可能なスロープも備える。

 最高速度は80km/hで航続距離は約250km。バッテリー容量は72.82kWhで、最高出力150kW、最大トルク266Nmの出力トルクを発生する。急速充電、普通充電に対応し、急速充電はDC90kW/200Aで40分程度(満充電量の約80%充電)、普通充電はAC6kW/30Aで12時間程度。駆動用電池はリチウムイオン電池だ。

 e-Palette の販売は受注生産で、当面トヨタのエアロ・モビリティ事業部が直接行なう。価格は消費税込み2900.0万円。(編集担当:吉田恒)