石破茂総理は国連総会一般討論演説で「核」問題に触れ「核による脅しが安全保障理事会常任理事国により平然と行われている」と非難した。
そのうえでそのことは「核使用のハードルが下がりかねないものであり、核抑止の実効性にも新たな揺らぎが生じる現状を私は強く憂います」と懸念し「我々は核兵器の問題に今こそ正面から立ち向かわなければなりません」と呼びかけた。
そして「国内外に、世界で唯一の被爆国である我が国に対し、核兵器禁止条約への参加を求める声があることは十分に承知しているが、核の保有国・非保有国、この双方が集うNPT(核兵器不拡散条約)こそが最も効果的で、かつ現実的な唯一の枠組み」との認識を強調。
石破総理は「我が国は来年のNPT運用検討会議が成功裏に行われ、世界が『核兵器のない世界』に一歩でも近づくことができるよう、国際社会に対話と協調の精神を強く訴える」とした。
また「核をめぐり非常に厳しい安全保障環境に置かれる我が国にとって、アメリカによる核を含む拡大抑止は国民の生命・財産を守り抜くために、これからも必要」と述べ「私は抑止論を否定する立場には立ち得ない。責任ある安全保障政策を遂行する上での現実」と述べた。
また石破総理は「核兵器のない世界に向けた取組みに、今正に、真っ向から挑戦しているのが北朝鮮だ」と名指しで非難し「その核・ミサイル開発は国際社会の平和と安全に対する重大な脅威。完全な非核化に向けた幾多の安保理決議の完全な履行を我々は北朝鮮に強く求める」とした。(編集担当:森高龍二)