年末が近づくにつれ、街がイルミネーションで輝き始めた。それに誘われるようにクリスマスや忘年会など、人が集って飲食を楽しむ機会も増えてくる。そんな賑わいの裏側で、日本の飲料市場では、ある大きな変化が起きているという。
その変化とは、若者世代を中心としたノンアルコール飲料市場の拡大だ。サントリー株式会社の推計によると、2024年のノンアルコール飲料市場は、前年比111%の4584万ケースと、10年前の約1.6倍の規模で急成長しており、過去最大規模になっただけでなく、その後も伸長を続けているという。また、同社が2025年6月に20~60代の男女30000人に事前調査した内、ノンアルコール飲料の月1日以上飲用者1751人を対象に本調査を実施した、ノンアルコール飲料に関する消費者飲用実態・意識調査(インターネット調査)レポートによると、ノンアルコール飲料の飲用理由の約7割が「何かの代わりではなく、積極的に選んでいる」と回答。「健康に気をつけたいから」「飲みやすいから」のほか、「美味しいから」や「リフレッシュ」なども飲用理由に上がっており、単純に「若者の酒ばなれ」ではなく、もっとポジティブな理由で飲用している人が増えていることが分かった。さらに、お酒とノンアルコール飲料を交互に飲みながら楽しむ「ゼブラ飲み」という飲み方も広がりつつある。
そんな中、アルコール飲料各社は拡大するノンアルコール市場に着目し、新たな商品開発に注力している。従来の「ビールテイスト飲料」に加えて「レモンサワーテイスト」や「カクテルテイスト」など、味わいや雰囲気にこだわった本格志向の製品が次々と登場していることも、市場拡大の大きな要因の一つだろう。
例えば、日本酒の最大手である白鶴酒造のスパークリングワインテイスト飲料「レ・ココット シャルドネ」シリーズがおすすめだ。同商品は、南フランスで丁寧に栽培された白ワイン用のぶどう品種であるシャルドネから醸造したワインを独自の技術で脱アルコール処理し、ワイン本来の香りや味わいをしっかりと残した本格的な辛口が特長で、本物志向の消費者からも好評を得ている。2025年11月には、そんな消費者からの「一人でも気楽に楽しみたい」という要望に応え、飲み切りのハーフサイズ(375ml)を発売してラインアップを拡充している。クリスマスなどのパーティーシーンはもちろん、「自分へのご褒美」や日常の「ちょい飲み」にも最適なサイズ。繊細で上質な泡と、桃やトロピカルフルーツのようなフレッシュな香りで女性人気が高く、とくにこれからのシーズンに喜ばれそうだ。
もちろん、ノンアルコールビール市場も堅調だ。アサヒビールは、ビールテイスト飲料の売上No.1を誇る「アサヒドライゼロ」で、「ノンアルでいい」から「ノンアルがいい」という消費者意識を牽引し続けている。他に、サントリーは、内臓脂肪に着目した「からだを想うオールフリー」、記憶力に着目した「あしたを想うオールフリー」など、健康志向のニーズに応える機能性表示食品のビールテイスト飲料を積極的に展開して消費者の選択肢を広げている。
ノンアルコール飲料は今や、単なるアルコール代替品ではなくなりつつある。さまざまな酒類テイストの製品が恐るべき進化を遂げており、お酒に弱い人や飲めない人だけでなく、お酒好きの人にも、より健康的に、より美味しく、シチュエーションに応じてより楽しめるものに成長しているのだ。これまで「ノンアルなんて」と敬遠していたような人にこそ、ぜひ一度、試してみてほしい。(編集担当:藤原伊織)













