神戸製鋼、高効率・小型バイナリー発電システムを商品化

2011年09月09日 11:00

 神戸製鋼所は、地熱や工場排熱等を利用して発電する高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」を開発し、今年10月に販売を開始することを8日に発表した。このシステムの最大発電端出力は70kWで、100kW以下クラスでは国産初の商品となる。

 「マイクロバイナリー」は、簡易型バイナリー発電装置を世界初となる半密閉型スクリュタービン方式で商品化したもので、70から95℃の温水、もしくは温水に変換できる廃液やガスなどの熱源から発電するオーガニックランキンサイクル方式のバイナリー発電システムである。同システムを使用することによって、100℃以下の工場などの排温水に加え、温泉水や地熱資源、バイオマス由来の熱源や太陽熱といった未利用の再生可能エネルギーを利用した小規模・分散型のグリーン電力発電システムの構築が可能となるという。

 「マイクロバイナリー」の商品化によって、同社グループの発電システムメニューは、中大型蒸気発電機の「GRTシリーズ」、小型蒸気発電機の「スチームスターMSEG」と併せて、数MWクラスの大型から数10kWクラスの小型までをカバーする排熱回収用の発電システムのラインナップが整った。また、既に商品化している高効率蒸気供給システム「スチームグローヒートポンプSGH」、小型蒸気圧縮機「スチームスターMSRC」、および蒸気駆動空気圧縮機「Kobelion-SD」と併せ、様々な排熱を回収・再生できるメニュー提供も可能となる。

 本体ユニット価格は2,500万円で、今後機種を拡充していき、2015年度までに年間売上高30億円を目指すことを同社は発表している。