今回のニュースのポイント
・コストの考え方:住宅ローンの金利やメンテナンス費用を含めた総コストと、生涯家賃のシミュレーション
・自由度と流動性:転職や家族構成の変化、地域の衰退といったリスクに対し、身軽に動けることの価値
・リスクの性質:持ち家の資産価値下落リスクに対し、賃貸の高齢期の入居拒否リスクをどう評価するか
家賃を払い続けるのはもったいない、家を買えば資産になる。かつて多くの人が信じて疑わなかったこの法則は、2026年の現在、より慎重に検討されるべき課題となっています。金利の動きが不透明で、人口動態が地域ごとに大きく異なる今、どちらが損か得かという問いには、唯一の正解が存在しないからです。
両者の違いを理解するために、これを自家用車とカーシェアの関係に例えてみましょう。持ち家は自家用車です。自分の好きなように使え、最終的には売却できる可能性がありますが、購入費や維持費、税金、さらには価値が下がるリスクをすべて自分で負わなければなりません。一方、賃貸はカーシェアです。必要な時に必要な場所に住み、不調があれば大家(運営側)が直してくれますが、どれだけ使い続けても自分のものにはなりません。
持ち家の最大の魅力は、ローン完済後の住居費負担が減ることと、自分好みに空間を作れる満足感です。しかし、2026年の市場環境では、買った価格よりも安くなるリスクや、修繕費の上昇、そして何より簡単に引っ越せないという重みがリスクとして強く意識されるようになっています。
対して賃貸の強みは流動性です。働き方が多様化し、転職やリモートワークが当たり前になる中で、ライフステージに合わせて住まいを最適化できる身軽さは、現代において非常に大きな資産と言えます。一方で、高齢になった際に入居審査が厳しくなる不安や、家賃を一生払い続ける継続的な支払い能力が求められる点は、長期的な課題として残ります。
結局のところ、大切なことは自分は何に価値を置くのかを明確にすることです。資産形成として家を捉えるのか、あるいは暮らしの自由度を優先するのか。どちらを選んでも、そこには必ずメリットとデメリットが共存します。周囲の意見やこれまでの常識に流されるのではなく、自分のキャリアプランや家族の形に照らし合わせて、納得できる選択を積み重ねていく。そのプロセスこそが、不安定な時代の住まい選びにおいて最も重要な鍵となるはずです。
今、分譲マンションに住んでいる人も、賃貸住宅で身軽に暮らしている人も、その選択はどちらも正解であり、優劣はありません。重要なのは、どちらの道を選んだとしても、将来の自分の姿を想像し、備えを怠らないことです。住まいは人生の目的ではなく、あなたが自分らしく輝くための舞台に過ぎません。自身の将来設計を丁寧に見つめ直し、今の選択が未来の自分を助けるものだと確信を持つこと。その納得感こそが、これからの長い人生を歩んでいく上での何よりの安心材料となるはずです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)













