日本版eTA「JESTA」導入に向けた検討。不法残留対策と観光立国の両立を目指す新たな水際対策の課題

2026年02月22日 20:41

画・新型コロナウイルスの影響、訪日客意識調査。旅程の変更はしなかった、96%など。

ビザ免除者も事前申請を義務付けへ。「JESTA」導入構想で変わる入国審査。治安維持とインバウンド拡大の相克

今回のニュースのポイント

・ビザ免除対象国からの入国者に対し、事前に渡航目的等を申請させる「JESTA(日本版eTA)」の導入を検討。

・治安維持の強化と不法残留の抑止を目的とし、当初の2030年導入目標を2028年度中に前倒しする方針が示されている。

・申請手続きが観光客の負担となり、インバウンド需要に影響を与える懸念もあり、利便性と安全性のバランスが制度設計上の課題。

 政府は現在、日本の安全保障と円滑な入国審査を両立させるため、新たな事前入国審査制度「JESTA」の導入に向けた議論を進めています。高市首相は2026年2月20日の施政方針演説において、不法残留対策を強化しつつ、真に観光を目的とする渡航者を歓迎する姿勢を強調しました。

 この構想は、米国(ESTA)や欧州(ETIAS)が既に導入している電子渡航認証制度をモデルとしています。現在、ビザ(査証)を免除されている国・地域の渡航者であっても、入国前にオンラインでパスポート情報や渡航目的を申請させることで、当局が事前にリスクを判定できるようになります。当初は2030年頃の導入が想定されていましたが、現在は2028年度中の運用開始を目指し、システム開発や法整備の準備が進められている段階です。

 しかし、制度の具体化にあたっては、観光業界などから懸念の声も上がっています。事前申請の義務化が訪日外国人にとって心理的なハードルとなり、回復基調にあるインバウンド需要に影響を与える可能性があるためです。手続きの簡素化や周知の徹底が不可欠であるとの指摘も少なくありません。

 オンライン上の反応を確認すると、SNS等では治安維持の観点から「厳格な審査は必要だ」とする投稿が見られる一方で、ニュースのコメント欄では「他国に比べて手続きが複雑になれば日本が敬遠されるのではないか」といった、観光競争力への影響を懸念する声も併存しています。

 今後の焦点は、2028年度の運用開始に向け、審査項目を精査し、他国の制度とどう整合性を図るかにあります。政府には、治安の確保という公の利益を守りつつ、観光立国としての開かれた姿勢をいかに維持するか、緻密な運用設計が求められています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)