三菱重工は1日、台湾のエンジニアリング・建設最大手のCTCI(CTCI Corporation)と共同で、台湾電力が進める出力各80万kWの林口(リンコウ)石炭焚き超臨界圧火力発電所1~3号機の建設プロジェクトをフルターンキー契約で受注したことを発表した。このプロジェクトは、同電力が電源開発計画に基づき、既存プラントを撤去して新たに建設するというもので、商業運転の開始は1号機が2015年11月、2号機が2016年11月、3号機が2020年11月を予定している。
水は374℃・22.12Mpa(大気圧の約220倍)の臨界点を超えた環境下で、液体と気体の両方の性質を備えた活発な状態(超臨界水)となり、水蒸気に連続して変化する性質を持つ。今回建設される超臨界圧のボイラーおよび蒸気タービンは、この臨界点を超える約600℃、大気圧の約250倍の状態で運転することになる。
好調な外需に支えられて経済成長を続ける台湾では、電力需要が年々増加傾向にある。そんな中、今回更新される林口火力発電所は台北市の中心から西方約20kmの場所に建設され、台北市とその周辺の旺盛な電力需要に応えていくことになる。今回のプロジェクトの中で、三菱重工はボイラーと蒸気タービン各3基の製作・供給を担当。発電機3基を三菱電機が手掛け、取扱商社は三菱商事となる。