DeNA決算、営業利益35%減 AI・スポーツ・医療分野を強化

2026年05月12日 18:47

今回のニュースのポイント

DeNAの2026年3月期決算は、主力ゲーム『Pokémon Trading Card Game Pocket』の初動反動減や、医療DX子会社ののれん減損96億円が響き、営業利益が前年比35.5%減の186億円となりました。一方で、ライブ配信事業が約40億円の利益を上げ黒字転換したほか 、スポーツ・スマートシティ事業も増収を確保。足元ではゲームが主力収益源ですが、AI・スポーツ・医療を軸とした事業構造の転換を急いでいます。

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 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が12日に発表した2026年3月期決算は、売上収益1,477億円(前期比9.9%減)、営業利益186億94百万円(同35.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益190億48百万円(同21.3%減)と、減収減益となりました。

 減益の主因は、稼ぎ頭であるゲーム事業の軟調です。2024年10月に投入した『ポケモン トレーディングカードゲーム ポケット』は、配信当初の記録的な初速からの反動等により前期比で減収減益となり、既存タイトルの減収とあわせて事業全体の重荷となりました。また、ヘルスケア・メディカル事業において、医療DX子会社アルムの事業計画見直しを受け、のれん96億14百万円を中心に、グループ全体で合計99億12百万円の減損損失を計上したことも利益を圧迫しました。

 一方で、中長期的な「非ゲーム」領域の収益基盤は着実に形を整えつつあります。ライブストリーミング事業は、収益性重視の運営に転換したことでセグメント利益39億84百万円と大幅な黒字化を達成。スポーツ・スマートシティ事業も売上高327億51百万円(同4.5%増)と増収を確保しました。ヘルスケア・メディカル事業は売上高87億25百万円と減収したものの、セグメント損失は23億29百万円と赤字幅を縮小 。次なる成長に向けた収益基盤の整備が進んでいます。

 特筆すべきは、AI活用を全社戦略として進める姿勢です。AI新会社の設立や一般向けAIアプリ開発への投資を本格化させる一方、決算短信ではLLM(大規模言語モデル)への依存や知財リスク、倫理的課題等を詳細に記載。これは、AI活用を経営戦略の中核に位置付ける姿勢がうかがえる内容となっています。

 2027年3月期の業績予想は、売上収益1,540億円(前期比4.3%増)に対し、営業利益は150億円(同19.8%減)と、Non-GAAPベースでも前期比46.7%減となる慎重な見通しです。上場申請中の持分法適用会社であるGO株式会社の影響等から当期利益は非開示としつつ、中長期投資局面を見据えてAIや新規事業への投資を優先する方針を示しました。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)