今回のニュースのポイント
しずおかFGの2026年3月期決算は、貸出金利息や有価証券利息の増加を背景に、経常利益が1,302億円と大幅な増益を達成しました。金利正常化が進む中で、資金運用収益の伸びが預金利息などの資金調達費用の増加を上回り、本業の収益力が改善しています。これに名古屋銀行との経営統合による「広域金融グループ」化の動きが加わり、人口減少下での新たな地銀成長モデルの構築が加速しています。
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株式会社しずおかフィナンシャルグループが12日に発表した2026年3月期決算は、連結経常収益4,385億4,600万円(前期比28.5%増)、経常利益1,302億9,800万円(同27.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益904億6,900万円(同21.2%増)となり、大幅な増収増益を記録しました。
収益改善の大きな原動力となったのは、金利正常化に伴う資金運用収益の拡大です。貸出金利息が1,754億6,800万円と前期比で約253億9,600万円増加したほか、有価証券利息配当金や株式等売却益も増加しました。預金利息をはじめとする資金調達費用も増加傾向にありますが、それを上回る運用収益の伸びによって本業の利ざやが確保されています。中核の静岡銀行における貸出金残高は、中小企業や個人向け融資が堅調に推移し、前期末比5,208億円増の11兆2,559億円に達しました。
今後の焦点となる名古屋銀行との経営統合については、2028年4月を目処に持株会社の下で「2バンク体制」を構築する計画です。2025年末時点の両社の資産を単純合算すると、統合後の総資産は約22兆円規模となり、地方銀行トップクラスの広域金融グループが誕生することになります。愛知県という巨大な製造業拠点を持つ名古屋銀行との連携により、地域密着のブランドを維持しつつ、広域でのソリューション営業を強化する狙いです。
好調な業績を背景に、株主還元も手厚く実施しています。当期の年間配当は前期比20円増の80円とし、さらに約300億100万円の自己株式取得を行うなど、資本効率を重視した経営姿勢を鮮明にしました。2027年3月期も純利益1,050億円(前期比16.1%増)と、さらなる増益を見込んでいます。
金利ある世界への回帰と、県境を越えた広域再編。しずおかFGの決算は、地方銀行が地域密着という伝統を守りながら、いかにしてスケールメリットと収益性を両立させるかという、次世代の地銀モデルへの移行を進めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













