今回のニュースのポイント
三菱重工業の2026年3月期決算は、受注高が7兆6,536億円と過去最高を記録しました。背景には、防衛力抜本的強化に伴う受注拡大に加え、世界的な電力需要増を捉えた高効率火力発電や原子力発電関連の引き合い増加があります。さらに三菱ロジスネクストの売却により、防衛・エネルギーというコア分野への「選択と集中」に向けた大きな区切りをつけました。次世代インフラを支える基盤企業としての収益構造が、数字の上でも鮮明になっています。
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三菱重工業株式会社が12日に発表した2026年3月期連結決算(IFRS)は、売上収益4兆9,741億円(前期比14.1%増)、事業利益4,322億円(同21.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,321億円(同35.3%増)と、大幅な増収増益となりました。
成長を支えているのは「航空・防衛・宇宙」と「エナジー」の両ドメインです。航空・防衛・宇宙ドメインの事業利益は1,515億円と全社の約3分の1を占め、エナジーは2,672億円と全社事業利益の6割超を稼ぎ出す「収益エンジン」となっており、この2ドメインが全体の成長を強力に牽引しています。
エナジー部門では、世界的な電力需要の増加や脱炭素とエネルギー安定供給の両立に向けた投資拡大を背景に、AI関連分野のデータセンターニーズも含めて、高効率ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)や原子力発電関連の引き合いが増加しました。航空・防衛・宇宙ドメインにおいても、飛しょう体や艦艇などの防衛関連の受注が積み上がり、民間航空機関連の回復も収益拡大に寄与しています。
事業ポートフォリオの刷新も進んでいます。当連結会計年度において三菱ロジスネクストの売却に向けて非継続事業への区分と売却目的保有への振替を行い、2026年5月の取引完了をもって物流機器事業の見極めに大きな区切りをつけました。この「選択と集中」の結果、キャッシュ創出力も大きく改善し、フリー・キャッシュ・フローは8,934億円のプラスを記録しています。
2027年3月期の業績予想は、売上収益5兆4,000億円、事業利益5,400億円と、さらなる最高益の更新を見込んでいます。地政学リスクや通商政策の不確実性は残るものの、エネルギー安全保障と国家防衛という巨大な需要を捉える三菱重工の立ち位置は、一段と強固なものとなっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













