今回のニュースのポイント
楽天銀行の2026年3月期決算は、金利上昇局面を追い風に経常利益が1,000億円を突破しました。預金残高が前期比約1.5兆円増の12.9兆円へ急拡大した原動力は、自治体連携による公金収納や公共料金の引落し対応といった「生活口座化」の進展です。さらに、楽天グループが銀行・カード・証券を一体化するフィンテック事業再編を再び打ち出しており、通信やEC、ポイントを融合させた“経済圏金融”による顧客の囲い込み競争が新たな局面を迎えています。
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楽天銀行株式会社が12日に発表した2026年3月期決算は、連結経常収益2,555億7,900万円(前期比38.4%増)、経常利益1,030億9,100万円(同44.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益730億7,200万円(同43.9%増)と、大幅な増収増益を記録しました。
好決算の柱となったのは、金利正常化に伴う利ざやの改善です。運用資産の増加に加え、日銀の政策金利引き上げによる利回り上昇が寄与し、資金運用収益は1,976億4,300万円と前期比で約695億円増加しました。預金利息などの調達コストも上昇していますが、それを上回る運用収益の伸びにより、総資金利鞘(単体)は0.55%と前期から0.16ポイント改善しました。
収益基盤を支えているのは、同行が進める「生活口座化」の成果です。神戸市や北九州市、東京都狛江市などの複数の自治体における公金収納、さらには東京都や福岡市などの上下水道料金の口座振替対応を拡大したことが、日常的な口座利用を強力に後押ししました 。その結果、口座数は1,807万口座に拡大。単体預金残高は12兆9,644億円に達し、前年末から約1.5兆円の積み上げを実現しています。
また、親会社の楽天グループと再度合意したフィンテック事業の再編も今後の焦点です。銀行・カード・証券を一つのグループに集約することで、意思決定の迅速化やAI・データの高度な活用を狙います。大手銀行や通信キャリアによる口座獲得競争が激化する中、楽天モバイルとの銀行代理業務提携を通じた「通信×金融」の連携強化も、経済圏の優位性を高める戦略の一環として打ち出されました。
2027年3月期の業績予想は、純利益813億2,500万円(前期比11.2%増)を見込んでいます。店舗を持たない低コスト運営を武器に、金利ある世界での競争を勝ち抜き、日常生活における決済インフラとしての存在感を高めようとしています。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













