マツダ決算、営業利益72%減 EV転換と関税逆風が直撃

2026年05月12日 21:15

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マツダの2026年3月期決算。営業利益515億円で前期比72%減。米国向け戦略見直しによる1,549億円のマイナス影響が直撃

今回のニュースのポイント

マツダの2026年3月期決算は、売上高が4.9兆円(前期比2.0%減)に対し、営業利益は515億円と、営業利益率が1.0%まで低下する厳しい内容となりました。最大の要因は、メキシコ製「CX-30」の販売抑制など米国向け戦略見直しの影響により、営業利益が米国向けの影響だけで1,549億円押し下げられたことです。中国市場での苦戦も続く中、主力SUV「CX-5」の刷新や地域別の電動化戦略によって、2027年3月期は営業利益1,500億円への回復を目指します。

本文

 マツダ株式会社が12日に発表した2026年3月期決算は、連結売上高4兆9,181億7,200万円(前期比2.0%減)、営業利益515億7,900万円(同72.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益350億8,600万円(同69.2%減)と、利益が激減する着地となりました。

 収益を直撃したのは、米国の通商政策による影響です。メキシコ製「CX-30」の販売抑制など米国向け戦略見直しの影響により、営業利益は米国向けの影響だけで1,549億円押し下げられました。中国市場においても、内燃機関車からEVへの急速なシフトと競争激化により、販売台数は前期比4.0%減の7万1,000台にとどまっています。市場の減速や電動化対応に伴う開発・設備負担も重く、利益の回復には時間を要する状況です。

 この厳しい経営環境に対し、同社は商品力の強化による反転攻勢を強めています。グローバル販売の約4分の1を占める主力SUV、新型「CX-5」を8年ぶりにフルモデルチェンジし、欧州や北米市場へ順次投入を開始しました。電動化戦略については、長安マツダが開発・製造する新型電動車「MAZDA EZ-6」「MAZDA EZ-60」を中国へ順次投入し、欧州ではEZ-6をベースに開発した「MAZDA6e」の本格販売を開始するなど、地域特性に合わせた柔軟な展開を見せています。

 財務面では、営業利益率が1.0%まで低下し、フリー・キャッシュ・フローは前期の1,057億円のプラスから6億円のマイナス(△6億円)に転じましたが、ネット・キャッシュ・ポジション4,430億円という手元流動性を背景に、年間配当は前期と同額の55円を維持しました。

 2027年3月期の業績予想は、売上収益5兆5,000億円、営業利益1,500億円、当期純利益900億円と、大幅な改善を見込んでいます。地政学リスクや関税の不透明感は依然として残りますが、新型車のグローバル展開を加速させ、収益性の改善と電動化戦略の立て直しを急ぐ構えです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)