今回のニュースのポイント
三菱ガス化学の2026年3月期決算は、売上高が7,382億円と減収になり、最終損益は403億円の赤字に転落しました。メタノール市況の下落に加え、オランダや台湾などの拠点での巨額な減損損失計上が響きました。一方でAIサーバー向け基板材料は好調です。次期は市況回復や減損の剥落を見込み、純利益460億円の黒字浮上を計画しています。
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三菱ガス化学が公表した2026年3月期連結決算は、売上高が7,382億円(前期比4.6%減)、営業利益は452億円(同10.9%減)、経常利益は519億円(同13.9%減)となりました。電子材料は伸びたものの、エンプラやメタノールが市況悪化の直撃を受け、キシレン系の撤退も重なって、全体では減収減益となりました。
最終損益については、403億1,800万円の赤字という厳しい結果となりました。主因は、特別損失として計上された784億4,800万円にのぼる減損損失です。オランダのメタキシレンジアミン製造子会社や台湾・中国の半導体薬液製造子会社、さらにトリニダード・トバゴのメタノール生産会社など複数拠点で、事業環境の悪化を踏まえた減損を計上しました。
セグメント別では、グリーン・エネルギー&ケミカル部門が売上高2,869億円(前年度比11.2%減)、営業利益56億円(同55.6%減)と、メタノール市況の影響により利益が大幅に押し下げられました。メタキシレンジアミン誘導品も欧州の需要低迷や競争激化、固定費増が重荷となりました。一方で、ヨウ素販売は堅調に推移し、MMA系製品も数量増により増益を確保しています。
機能化学品部門は、売上高4,483億円(同0.9%増)、営業利益438億円(同5.9%増)となりました。無機化学品は、半導体向け薬液の出荷が伸びて売上は増えたものの、台湾工場の増強でコストがかさみ、採算はやや悪化しました。エンプラは、ポリカーボネートを中心に価格・数量とも鈍り、海外拠点の収益性も悪化しました。その中で、電子材料はAIサーバー向け基板材料「OPE®」の販売数量が増加したことなどもあり、増収増益を達成しました。
財務面では、総資産が1兆1,130億円に減少し、自己資本比率は58.1%となりました。株主還元については、当期の年間配当を100円とし、次期は累進配当方針に基づき110円に増配する予想です。
2027年3月期の通期予想は、親会社株主に帰属する当期純利益460億円の黒字回復を計画しています。ただし、エネルギー価格の懸念や供給調達の逼迫といった中東リスクは、現時点では不透明な部分が多く、収益予想にすべて織り込んでいるわけではありません。
化学業界では、中国や欧州の需要停滞により汎用品の採算が意識されやすい状況が続いています。三菱ガス化学としても、基礎化学品の再構築を進めながら、AI・半導体向けを含む高機能材料へ経営資源をどこまでシフトできるかが、再成長の鍵になります。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













