今回のニュースのポイント
日本触媒の2026年3月期決算は、売上収益が3,998億円と前期比2.3%減、純利益は3.6%減の167億円となりました。アクリル酸等の市況低下や在庫評価損益の悪化が響き、マテリアルズ事業は20%超の営業減益です。一方、電池材料や電子材料などの高機能品が伸長し収益を支えました。次期予想は中東情勢の影響を考慮し未定としています。
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日本触媒が公表した2026年3月期連結決算(IFRS)は、売上収益が3,998億9,800万円(前期比2.3%減)、営業利益は175億3,000万円(同8.0%減)となりました。一部製品では出荷数量が増えたものの、ナフサ安に連動した原料価格の下落と海外市況の軟化で販売価格が下押しされ、売上減少につながりました。また、製造固定費の増加や、前期にあった在庫評価益が差損に転じたことも利益を圧迫しました。
セグメント別では、売上の約7割を占めるマテリアルズ事業が売上収益2,788億1,000万円(前年度比5.2%減)、営業利益102億3,400万円(同20.7%減)と、市況悪化の影響が色濃く表れました。アクリル酸や酸化エチレンなどが価格下落により減収となりました。高吸水性樹脂(SAP)は数量増で売上を伸ばしたものの、アクリル酸など他の汎用品のスプレッド縮小を補うまでには至りませんでした。
一方で、ソリューションズ事業は売上収益1,210億8,800万円(同5.1%増)を確保しました。営業利益も65億300万円(同27.1%増)と伸び、採算改善が進みました。新規洗浄用高機能ポリマーの上市や、電子情報材料、脱硝触媒の販売増が寄与したほか、電池材料も製品販売構成の変化により増収となりました。
財務面では、建設中のリチウムイオン電池用電解質(LiFSI)製造設備等の有形固定資産が増加し、資産合計は5,802億900万円へ拡大しました。親会社所有者帰属持分比率は68.4%と、前期(70.5%)からやや低下したものの、依然として高い資本レベルを保っています。株主還元では、年間配当を1株当たり113円とし、連結での配当性向は100.8%となりました。
2027年3月期の通期予想について、同社は現時点では「未定」としています。原材料の供給状況やコストへの影響など、中東情勢の影響が読みにくい状況があるためとしています。
素材業界では、先端半導体やAIサーバー向けなどの高機能材料の需要が拡大する一方、汎用品は市況の影響を受けやすく、収益性の差が意識されやすい状況になっています。日本触媒としても、SAPの収益基盤を守りつつ、電池材料や環境触媒、電子材料といった成長分野への投資を加速できるかが、次期の収益構造を占う焦点になりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













