今回のニュースのポイント
帝国データバンクが2026年6月2日に発表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2026年通年の飲食料品値上げ品目数(1〜10月判明分)は少なくとも1万1157品目に達し、調査開始以来5年連続で年間1万品目を突破することが確実となりました。今回の値上げラッシュの特徴は、原材料高騰に加え、食品フィルムやトレー、紙パックなどの「包装・資材」コストの上昇が全体の7割を超えて過去最高水準に達している点にあります。中東情勢の緊迫化に伴うナフサ価格の上昇や物流費・人件費の増大を背景に、7月以降も夏から秋にかけて断続的な価格改定の波が続く見通しです。
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国内の飲食料品における価格改定の動きが、新たな要因を背景に再び広がりを見せています。帝国データバンクが2026年6月2日に公表した最新の価格改定動向調査によると、主要な食品メーカー195社における2026年通年(1〜10月実施・予定分)の飲食料品値上げ品目数(判明分)は、6月1日までの集計時点で少なくとも1万1157品目に達したことが判明しました。これにより、同調査を開始した2022年以降、5年連続で年間1万品目の大台を超えることが確実となっています。年間では1万5000〜2万品目台に達する可能性もあるとみられ、前年(2025年実績:2万609品目)並みの高水準な値上げ基調が維持される見通しです。
今回の値上げラッシュにおいて市場関係者が最も注視しているのは、値上げ要因の構成に大きな変化が生じている点です。これまで食品の値上げといえば、小麦や大豆などの原材料高騰や円安に伴う輸入コストの上昇が主な要因として挙げられてきました。しかし、今回の調査では様相が異なり、食品メーカー各社にとって食品フィルム、食品トレー、飲料用の紙パック、容器類といった「包装・資材」にかかるコストの上昇が極めて重い経営負担となっています。帝国データバンクの分析によると、足元における値上げ要因として包装・資材が占める割合は7割を超えており、過去最高水準で推移している実態が明らかになりました。
この包装・資材コスト急騰の背景には、長期化する中東情勢の悪化と、それに伴うグローバルなサプライチェーンの不確実性があります。地政学リスクの高まりを背景に、ホルムズ海峡を巡る輸送不安が強まっており、石油由来の樹脂素材の供給への影響やコスト上昇圧力が、国内の包装資材コストを押し上げています。プラスチックトレーや包装用フィルム、容器類の基礎原料となるナフサ(粗製ガソリン)の価格上昇が、製品パッケージの製造コストを大幅に押し上げる結果となりました。企業にとっては、原材料コストが比較的落ち着いた場合でも、それを包む容器やフィルムの価格上昇分を販売価格へ転嫁せざるを得ないという、厳しい事業環境に直面しています。
値上げの波は、食品業界のあらゆる分野へ一斉に広がっています。2026年の値上げ品目を分野別に集計すると、最も多いのは冷凍食品やパック米飯などを含む「加工食品」の4179品目で、すでに前年の通年実績値の約9割に達しています。これに続き、だしやつゆ製品のほか大手メーカーによる3年半ぶりの醤油価格改定が予定されている「調味料」が2784品目、缶酎ハイや輸入ワイン、焼酎・日本酒などが幅広く価格改定となる「酒類・飲料」が1893品目、次いで「パン」が978品目となっています。
原材料の価格据え置きを背景に値上げが比較的抑制されてきた「乳製品」も64品目にとどまってはいるものの、飲料用紙パックの値上げや輸送費の上昇を受け、今後は本体値上げや容量変更といった実質値上げの動きが牛乳などを中心に活発化する可能性が指摘されています。
一般的な消費者は値上げのニュースに接する際、穀物価格や原油価格の指標に目を向けがちですが、現在の物価上昇の本質は、商品そのものの価値以外の「見えにくいコスト」が価格を押し上げている点にあります。包装資材のほかにも、エネルギー価格の上昇や深刻な物流費の増大、人件費の上昇といった複合的なコストが重なっており、企業によるコスト吸収だけでは対応が難しい状況が続いています。調査資料によると、6月は2カ月ぶりに単月で1000品目を上回ったほか、7月は3カ月ぶりに2000品目を上回るなど、夏から秋(7〜10月)にかけて包装資材コストを反映した価格改定が相次ぐ見通しです。
今後の中東情勢や包装・資材のコスト動向は、家計の負担に引き続き直接的な影響を与える注目材料となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













