スマホ新法で変わるゲーム課金 決済の選択肢が利用者を動かす

2026年07月29日 06:53

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スマートフォンを利用するユーザー。SBペイメントサービスの調査では、スマホ新法の施行を受けてアプリ外決済の利用が広がり、価格だけでなく利用したい決済手段を選べることが課金時の重要な要素になっていることが示された。

今回のニュースのポイント

SBペイメントサービスの調査によると、スマホゲームの課金ユーザーの74.2%が「スマホ新法」を認知し、課金ユーザーの62.1%がアプリ外課金を利用していました。アプリ外課金を選ぶ理由では、「自分が利用したい決済手段が使える」が最も多く、価格面だけでなく決済手段の自由度が利用者の選択に影響していることがうかがえます。

本文
 ソフトバンクグループのSBペイメントサービスは7月28日、スマホゲームアプリの利用・課金状況に関する意識調査結果を公表しました。調査によると、普段スマホゲームをプレーする人のうち課金を行っているユーザーの割合は44.1%となり、前年調査から8.9ポイント増加しました。また、2025年12月に施行された「スマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)」について、課金ユーザーの74.2%(全体では46.9%)が認知していると回答しました。月3万円以上を費やす重課金層では認知度が94.8%に達しており、課金機会の多い層ほど制度の変化を強く意識している実態が浮かび上がっています。

 スマホ新法の施行に伴い、アプリ外での決済(Web決済など)の選択肢が広がったことで、実際の利用動向にも変化が見られます。

 課金ユーザーの62.1%が「アプリ外課金を行ったことがある」と回答しており、そのうち10.6%はアプリ外課金をメインで利用していると答えました。端末別では、iPhoneユーザーの利用率が64.9%、Android搭載スマホユーザーが58.5%となり、これまでアプリ内決済の規約が厳格だったiPhone環境において、より積極的にWeb課金などが活用されている状況が示されています。

 利用者がアプリ外決済を選択する最大の理由は、単なる「割引や特典」ではありません。

 選択理由を尋ねた項目では、「自分の利用したい決済手段が使える」が46.6%で最も多く、割引(45.4%)やアイテム増量(39.3%)といった各種キャンペーンを上回る結果となりました。アプリ外決済で現在利用されている手段はクレジットカード(34.1%)やPayPay(31.2%)が多く、さらに導入が望まれる決済手段としてPayPay(14.3%)や楽天ペイ(14.1%)、各種電子マネーやポイント決済(各13.2%)が上位に挙がっています。日常的に使い慣れた決済やポイント還元を得られる手段へのニーズが強く存在していることが分かります。

 今回の調査結果が示している本質は、スマホ新法がもたらしたインパクトが単なる「手数料率の引き下げ」や「ゲームアイテムの価格差」にとどまらない点にあります。

 従来のアプリ市場は、巨大プラットフォーマーが提供するアプリ内決済システムの一択に限られていました。しかし、サードパーティ決済やWeb課金への誘導が解禁されたことで、市場は「ユーザーが自ら好みの決済手段を選べる環境」へと構造変化が進みつつあります。

 ゲーム開発会社(パブリッシャー)にとっては手数料負担の軽減だけでなく、顧客に人気の決済手段を揃えることが課金ハードルを下げる重要なマーケティング要素となり始めています。また、決済事業者にとっても、巨大なゲーム課金市場へ直接アクセスして顧客を獲得・囲い込む新たな競争の場が開かれたことを意味しています。

 スマホ新法の全面施行から時間が経過するにつれ、この決済手段の多様化はゲーム以外のデジタルコンテンツや各種サブスクリプションサービスへと順次広がっていく可能性があります。

 今後は、アプリ外決済の普及がゲーム以外のコンテンツ消費へどこまで波及するか、そしてPayPayや楽天ペイなどの国内決済事業者がどのような還元策や連携施策を打ち出してシェアを拡大していくかが、デジタル決済市場の将来を占ううえでの重要な焦点となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)