在留外国人428万人、不法残留は6.5万人に減少 「受け入れと管理」政策の現在地

2026年10月17日 07:19

外国人政策(首相官邸)

2026年1月23日に開催された「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」。政府は同日、外国人の受け入れと秩序ある共生に向けた総合的対応策を決定した。(写真:首相官邸ホームページより)

今回のニュースのポイント

2026年6月末の在留外国人数は428万1,026人と前年末比3.8%増え、過去最多を更新した。一方、7月1日時点の不法残留者は6万5,229人と年初比4.8%減少した。ただし、在留資格別では留学や特定活動の不法残留者が増えている。政府が外国人材の受け入れと在留管理の強化を並行して進める中、2027年4月の育成就労制度開始や受け入れ規模に関する基本方針の策定が焦点となる。

本文
 出入国在留管理庁が発表した最新の在留・出入国管理統計によると、国内の在留外国人数と不法残留者数の動きに明確な対照が現れています。2026年6月末時点の在留外国人数は428万1,026人となり、2025年末(412万5,395人)から15万5,631人(3.8%)増加して過去最多を更新しました。一方で、2026年7月1日時点の不法残留者数は6万5,229人となり、同年1月1日時点(6万8,488人)から3,259人(4.8%)減少しました。中長期在留者の受け入れ規模が拡大する中で、不法残留者の総数は減少しているという二つの動きが同時に進行しています。

 在留外国人(428万1,026人)の主な内訳を見ると、最も多いのが「永住者」の96万1,342人です。次いで「技術・人文知識・国際業務」が51万6,184人、「留学」が47万9,626人と続いています。日本の産業現場や人手不足分野を支える在留資格では、「技能実習」が45万7,509人、「特定技能」が44万4,256人となっており、この両制度を合わせると約90.2万人(編集部による単純合計)規模に達しています。外国人材の受け入れが、日本の産業において大きな規模となっていることが分かります。

 国籍・地域別の在留外国人では、中国(94万1,031人)とベトナム(69万3,750人)が依然として大きな割合を占めています。一方、2025年末と比較した増加率では、ネパール(11.2%増の33万4,850人)、インドネシア(15.6%増の30万7,456人)、ミャンマー(15.9%増の21万1,602人)、バングラデシュ(18.8%増の5万3,398人)など、東南アジアや南アジア諸国からの在留者が二桁増を示しており、受け入れの地域構成にも変化が見られます。

 不法残留者6万5,229人を、不法残留となった時点の在留資格別に見ると、「短期滞在」が3万9,180人と全体の60.1%を占めています。一方、「技能実習」は7,928人(12.2%)で、不法残留の実態を外国人労働者制度だけで説明することはできません。

 ただし、不法残留者数の動きを在留資格別に見ると一様ではありません。不法残留となった時点の在留資格が「技能実習」だった人は2026年1月時点の9,323人から7,928人へ15.0%減少したのに対し、「特定活動」での不法残留者は7,306人から7,661人へ4.9%増加し、「留学」も2,173人から2,435人へ12.1%増加しました。留学における不法残留者のうち26.5%(646人)は2026年上半期に新たに不法残留となった者であり、総数が減少する陰で一部資格の管理課題が浮き彫りとなっています。

 こうした現状に対し、高市政権は外国人政策において「受け入れ」と「厳正な管理」の双方を推し進める姿勢を明確にしています。政府は2026年1月23日、「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定し、社会規範の理解促進や法令違反への厳正な対処を提示しました。さらに高市首相は同年2月20日の施政方針演説で「不法滞在者ゼロプラン」の推進を表明し、ルールを遵守して税や社会保険料を納める大部分の在留外国人と問題行為者を明確に区別しつつ、電子渡航認証(JESTA)創設法案の提出など出入国管理の厳格化を打ち出しています。

 受け入れ制度の面では、持続的な人材確保に向けた大きな改革が控えています。政府は2027年4月1日施行で「育成就労制度」を開始する予定です。従来の技能実習制度が掲げていた「国際貢献としての技能移転」から、日本の人手不足分野における「人材育成と人材確保」へ制度目的を根本から改めるもので、すでに2026年9月からは育成就労計画の事前認定申請の受け付けが始まっています。

 さらに高市政権は、在留外国人の受入規模を中長期的に捉える「量的マネジメント」の検討を進めており、2026年度中をめどに基本方針を取りまとめる方針です。2026年上半期だけで外国人入国者が2,137万6,170人に上る一方、国内の在留外国人は428万人を超え、技能実習・特定技能の合計も約90万人に達しています。単に外国人を増やすか減らすかという視点にとどまらず、受入分野や資格、地域の受け入れ体制や行政サービスの整備状況を含めた制度設計も重要な論点となっています。

 最新統計が示す在留外国人の増加と不法残留者数の減少は、日本の在留管理の実態を表す重要な数値ですが、これらを特定の政策効果として断定することはできません。2027年4月の育成就労制度の施行や政府の基本方針策定に向け、人手不足に対応する適切な受け入れ枠組みの整備と、在留資格に応じた実効性のある法遵守の確保をいかに両立させるかが、今後の外国人政策の主たる検証課題となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)