Google、米アーカンソー州の電力網増強に約6億ドル負担へ 太陽光440MWと蓄電設備も整備

2026年10月20日 16:02

データセンターと変電所イメージ

データセンターと変電設備を表現したイメージ。米Entergy Arkansasは、Googleのデータセンター事業に関連し、約6億ドルの電力インフラ整備計画を発表した。設備費用はGoogleが負担する仕組みとなる。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米電力大手Entergy Arkansasは2026年10月19日、Googleがアーカンソー州ウェストメンフィスで進めるデータセンター事業に関連し、約6億ドル規模の追加電力インフラ整備計画を発表しました。関連費用はGoogleが負担する仕組みとなります。440MWの太陽光電力購入契約や計1,400MWhの蓄電設備、変電所拡張、230kV送電線2本を新設します。規制当局の承認を経て2028年の運用開始を目指し、一般需要家へは20年間で5億ドル以上の料金負担軽減が見込まれています。

本文
 米電力会社のEntergy Arkansas(エンタジー・アーカンソー)は2026年10月19日、米Google(グーグル)がアーカンソー州ウェストメンフィスで展開するデータセンター事業向けに、電力供給体制を強化する追加的なインフラ整備計画を発表しました。AI(人工知能)普及に伴う急激な電力需要の増加に対応するため、送電網の補強と再生可能エネルギーおよび蓄電設備の導入を一体的に進めます。

 今回の協力計画では、約6億ドル(約900億円)規模の電力インフラ整備が予定されており、関連する投資費用はGoogle側が負担する契約構成となっています。これは大口需要家であるテクノロジー企業が自社事業に必要な電力設備の追加費用を自ら賄う取り組みであり、電力会社による買収やデータセンター本体の建設費を示すものではありません。

 Entergy Arkansasによれば、Googleが新たな電源の費用を負担し、電力会社の共通固定費も分担することで、一般の電力利用者には2028年から20年間で少なくとも5億ドルの追加的な料金負担軽減効果が見込まれています。これは、Googleが費用を負担しなかった場合と比べた将来の見込みであり、各世帯の電気料金が現在より一定額下がることを保証するものではありません。

 具体的な設備計画として、Entergy Arkansasは新たに440MW(メガワット、交流出力)規模の太陽光発電に関する電力購入契約を取りまとめます。あわせて、天候による発電出力の変動を緩和し系統の安定性を保つため、1,000MWh(メガワット時)と400MWhの2案件、合計1,400MWhの蓄電設備計画を盛り込んでいます。電力網そのものの物理的な送電能力を高めるため、既存変電所の拡張に加え、230kV(キロボルト)の高圧送電線2本の新設も推進します。

 今回の追加計画と建設中の関連設備を合わせると、Entergy Arkansasの電力供給体制に加わる規模は、太陽光発電で1,000MW超、蓄電容量で2,800MWhとなる見通しです。

 今回の追加電力インフラ整備計画は、アーカンソー州公益事業委員会(APSC)による規制承認を前提としており、順次手続を進めた上で2028年からの本格運用開始を目指すとしています。

 Googleは同日付の公式ブログで、地域社会との連携強化についても説明しました。同社が2025年に発表した同州での40億ドル規模のデータセンター投資計画とは別に、既存の地域支援基金(総額2,500万ドル)から、地元10団体に初回分として計125万ドルを交付すると発表しました。

 急速に拡大するAIデータセンターの電力需要を巡っては、給電の安定性確保と再生可能エネルギー調達に加え、インフラ増強コストをどのように需要家間で分担するかが米国の各地域で課題となっています。大口需要家による費用負担と一般需要家への料金還元見込みを提示した今回のモデルは、今後のデータセンター誘致と地域インフラ運用のあり方を示す一例となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)