このままで、いいのだろうか。
値がさ株の株価変動の影響を低くするために計算のルールに手を加えるような解決方法もあるだろう。しかしそれは、がんの治療法で言えば化学療法のようなもので、相場の実勢が反映されにくくなるといった「副作用」が伴う。
そんなことより、一番スッキリする解決方法は「切除手術」の断行なのではないか。がんの部分は外科手術で全部取ってしまうのだ。つまり、日本経済新聞社がファーストリテイリング、ソフトバンク、ファナックの3種を日経平均採用225種から除外して、別の銘柄に入れ替えるのである。
もちろんそれには「指数除外売り」で売られて日経平均が暴落するという「大出血」を伴うが、かつてホリエモンさんが流行らせた言葉で言えば「想定の範囲内」だ。事前に対応策がとれるし、投資家は心の準備もできる。切除してしまえば、ある日突然、「御三家」に売りが集中して日経平均が暴落するという想定外の事態はもう起きない。日経平均が誰かにコントロールされてしまう状況は、完全にとは言わないが、かなり払拭されるはずだ。そうなれば日経平均は、何者かの「意思」の介入を排除でき、相場の実勢を常に正しく反映する信用のおける株価指標として、生まれ変われるのではないだろうか。
日経平均225種は、各業種の代表的銘柄を網羅するという「使命」があるのかもしれないが、それならファーストリテイリングは小売業を代表する企業だろうか? ヤマダ電機<9831>への入れ替えはできないだろうか? ソフトバンクは情報・通信セクターを代表する企業だろうか? フジメディアHD<4676>や日本テレビHD<9404>への入れ替えはできないだろうか? ファナックは電気機器セクターを代表する企業だろうか? 日東電工<6988>への入れ替えはできないだろうか? 彼らの「格」にふさわしい入れ替え候補はある。除外される3社にとっては上場廃止になるわけではなく、株価の一時的な下落を除けば実害はあまりない。
「日経平均寄与度御三家」を日経平均の225銘柄から追放するのは相当な「ショック療法」かもしれないが、日本経済新聞社は日本を代表する株価指数「日経平均」の権威を保ち、日本の株式市場を正しく発展させるためにも、ぜひ検討してほしい。(編集担当:寺尾淳)