【日経平均】メジャーSQは315円高でリーマン前回復

2013年03月09日 10:54

 NYダウは雇用統計の改善期待が高まり33ドル高で5日続伸、史上最高値を3日連続で更新し未体験ゾーンを突き進む。8日朝方の為替レートは、ユーロ円は政策金利を据え置いたECBのドラギ総裁の楽観的な景気見通しを好感して前日比2円を超えるユーロ大幅高で124円台前半、さらにドル円は取引開始前に95円台に乗せるなど円安が進んでメジャーSQ算出日を迎えた。日経平均は98.42円高の12066.50円で大台を回復して始まり、すぐに12100円台に乗せる。午前9時8分頃に出たSQ推計値は12072.98円で、週前半から大台乗せの “工作”が活発だった市場の期待通り、SQ値も12000円を超えた。

 その後、中国の貿易収支が赤字の予想を良い方に裏切って黒字と発表され上海市場が上昇に転じるなどして日経平均は午前10時半過ぎから上げ足を早め、12150円を通過して12200円台に乗せて昼休み入り。その勢いは後場も衰えず、麻生財務大臣とアメリカのルー財務長官が夜に電話協議するニュース、2月の景気ウォッチャー調査が改善して現状判断が好・不況の分岐点の50を超えたニュースなどが入って12250円にたびたびタッチした末、315.54円高の12283.62円で月曜始値から588円も上昇した今週の取引を終えた。TOPIXは+16.15の1020.50。売買高48億株、売買代金3兆9377億円はさすがメジャーSQだが、6日続伸した後のアメリカの雇用統計発表前の金曜日でも様子見、利益確定売りでズルズル下げることなく、逆に高値引けして相場の強さを世界に示した。国土よりも先に株式市場のほうが強靱化したか?

 値上がり銘柄数は全体の約3分の2を占めたが、それでも電力・ガス、空運、水産・農林、石油の4業種がマイナスになった。騰落率上位の業種はゴム、不動産、その他金融、鉱業、海運などだった。

 メジャーSQは「日経平均寄与度御三家」が揃って売買代金ランキング上位に顔を出す晴れ舞台。ファーストリテイリング<9983>は2810円高で1位、ソフトバンク<9984>は115円高で5位、ファナック<6954>は340円高で7位に入り、御三家合計で日経平均を140円押し上げ、上昇幅の約44%を占めた。ファーストリテイリングは値がさ株には珍しく値上がり率ランキングでも17位に入り、終値は3万円を突破した。

 取引時間中にドル円95円台半ばまで円安が進んで輸出関連銘柄を活気づけ、自動車ではトヨタ<7203>が75円高、マツダ<7261>が17円高、ホンダ<7267>が95円高とともに大幅高で売買代金10位以内に入っていた。富士重工<7270>も109円の3ケタ上昇。連日昨年来高値更新のブリヂストン<5108>は180円高とこの日も株価を3ケタ伸ばした。電機では東芝<6502>が17円高と買われたが、日立<6501>は5円高、2015年度に売上3兆円の中期経営計画を策定中と報じられたシャープ<6753>は5円高、パナソニック<6752>は4円高、ソニー<6758>は13円高と地味だった。信越化学<4063>は前場のマイナスから切り返して40円高で終えた。

 金融関連は三井住友FG<8316>の125円高、三井住友トラストHD<8309>の28円高が目立った程度。一方、海運株は収益が改善する円安の進行にバルチック海運指数の上昇、中国の貿易収支黒字化など好材料が重なり、川崎汽船<9107>は昨年来高値を更新し日本郵船<9101>も買われた。日経新聞でグループ5社の完全子会社化により再建に前進と報じられた中山製鋼所<5408>は大幅続伸して値上がり率11位に入った。

 今週よく買われた内需系は弱含み。食品ではJT<2914>が5円安、アサヒGHD<2502>が9円安、日清製粉G<2002>が16円安。小売ではニトリHD<9843>、ローソン<2651>がともに100円安で、ファミリーマート<8028>は2月期決算で営業益過去最高と報じられても70円安だった。

 不動産は、金融緩和効果をすでに織り込み済みとしてクレディスイス証券がセクター全体の投資判断を引き下げたが、三井不動産<8801>は111円高、三菱地所<8802>は131円高、住友不動産<8830>は140円高と意に介さず。建設は大手ゼネコンはふるわなかったが、住宅関連の積水ハウス<1928>は2月期決算の純利益が60%増という報道を受け、162円高で昨年来高値を更新して値上がり率10位に入り、大和ハウス<1925>の後を追うように急上昇している。

 この日の主役は、正午のNHKニュースを見た市場関係者が昼食もそこそこに飛びついた「メタンハイドレート」関連銘柄。政府が試験採取を進めていた愛知県沖の海底から来週にも天然ガスの採取が始まるというサプライズで、商業生産に成功すれば北米産のシェールガス以外に国産の天然ガス資源も確保できる。三井海洋開発<6269>は485円ストップ高で値上がり率4位、日本海洋掘削<1606>は700円ストップ高で値上がり率8位。ジャスダック上場の鉱研工業<6297>もストップ高80円高だった。火力発電用の液化天然ガス(LNG)の輸入急増で貿易赤字が拡大している日本にとってはハッピーなニュースで、千葉県の陸上で天然ガスを採取する関東天然瓦斯開発<1661>まで52円高で昨年来高値を更新し値上がり率19位に入るという市場のあわてぶりも、またご愛嬌。(編集担当:寺尾淳)