小野寺五典防衛大臣は米軍普天間飛行場の返還めどについて26日、「辺野古移転の進捗状況に関わる」と辺野古移転の進捗状況次第だとの認識を示した。辺野古移転が進まなければ米軍訓練の沖縄での負担軽減はできたとしても、普天間飛行場返還という根本問題は前進していかないことを示す。
小野寺防衛大臣は「嘉手納以南の返還については米側の嘉手納以南の統合計画を基本に米側が話を主体的に進めることになる」とし、日本としては「できるだけという要請努力をしている」スタンスにあることを説明した。そのうえで「普天間については、それとは別に、辺野古移転の進捗状況に関わることなのだ」とした。
また、自衛隊法改正により邦人の陸上輸送を可能にする件について、小野寺防衛大臣は「今、省内で検討し、各省協議も行っているので、まとまり次第、与党を含めた党内手続きを進める努力をしている。最終的に国会に提出し、成案を得るかどうかは国会の審議状況にかかわってくる」と語った。
その一方で、原子力施設を自衛隊が警備するよう自衛隊法を改正することについては「与党内でも議論がさまざまあると聞いている。防衛省としては一義的には、今、警察がその役割を担っているので、与党内で議論が行われたあと、政府全体での議論があり、その中で防衛省の役割が決まってくると思う」とし「今の段階では、それを想定して自衛隊法の検討に入っているわけではない」と語った。(編集担当:森高龍二)