衆院選挙区画定審議会が28日、新たな区割り案を総理に勧告したのを受け、社民党は現行の衆議院選挙制度(小選挙区比例代表並立制)の下での小選挙区の0増5減の定数是正では「投票価値の平等に真正面から応えるには程遠い」とし「比例代表選挙を中心とした選挙制度への抜本改革を行うよう主張していく」との談話を発表した。また、「違憲状態を一刻も早く解消するため、各党間協議を再開するように」求めている。
社民党の又市征治幹事長は「昨年の総選挙直前に緊急是正された衆議院小選挙区定数の0増5減に基づき、衆院選挙区画定審議会が新たな区割り案を首相に勧告した。これにより、2010年の国勢調査に当てはめた場合、一票の格差は最大1.998倍。2009年の総選挙における最大格差2.30倍を違憲状態とした2011年の最高裁判決時と比較すると、かろうじて2倍以内に収まっているものの、今後の人口推移を勘案すれば、ごく近い将来に格差2倍以上の違憲状態に再び達する可能性は極めて高い」とし、「0増5減の定数是正が投票価値の平等に真正面から応えるには、ほど遠いことを浮き彫りにしている」とした。
また各党協議においては「投票価値の平等、区割りの合理性を考えた場合、それらを保障するには小選挙区制度そのものに限界がある」とし「昨年の総選挙において小選挙区で自民党が43%の得票率で議席総数の79%を占有した」ことをとりあげ「小選挙区制度が民意を切り捨て、多くの死票を生み出す制度であることは明白で、この点、一票の格差の解消と同時に民意を的確に議席数に反映させることが求められている」として、比例代表選挙を中心した選挙制度にしていくべきとアピールしている。(編集担当:森高龍二)