電気自動車市場が活況、日産に続きトヨタ、ホンダは2012年春始動

2010年12月08日 11:00

 日産自動車 <7201> は12月20日より電気自動車「リーフ」を全国の日産ディーラーで発売する。リーフは走行中にCO2を全く排出しない「ゼロ・エミッション」車で、同時にリチウムイオンバッテリーと電気モーターの搭載により、力強く滑らかな加速性能や高い操縦安定性により今までにない運転感覚を可能に。また、リーフの車室空間は5人乗りを実現し、200kmの航続距離(JC08モード)を達成している。

 また、このリーフは、「環境対応車普及促進税制」による減税措置に適合しており、2011年度まで自動車重量税、自動車取得税は免税となる。さらに、「グリーン税制」にも適合しているので、自動車税は購入翌年度に50%が軽減される。気になる充電スポットだが、全国の日産ディーラー全店舗(約2,200店)に、200Vの普通充電ができる環境を既に整えており、そのうち約200店舗には、30分で約80%までの充電を可能にする急速充電器を設置している。

 リーフよりも1年半ほど早い市場投入を果たした、三菱自動車 <7211> の「i-MiEV」だが、11月23日の時点で5,000台の生産を達成した。世界に先駆け本格的な量産EV自動車を出した同社は現在、左ハンドルの欧州仕様の生産も開始し、グローバルな展開を目論む。また、こちらも投入は早かった富士重工 <7270> のスバル「プラグイン ステラ」は一般向けの販売はしておらず、なかなかお目にかかる機会は少ない。

 一方、ハイブリットカーでは市場をリードするトヨタ <7203> からは2012年の春にiQベースのEV自動車の国内発売が予定されているが、慌てて出さなくてもハイブリッド同様、EV自動車でも主導権は取れると言った自信の現れか、インフラの整備を見越してそのタイミングの良い時期が2012年の春と見ているのか、興味が持たれる。また、ハイブリッド市場をトヨタと一緒に盛り上げてきたホンダ <7267> もトヨタ同様、2012年春の市場参入を発表、フィットがベースとなるEV自動車を投入する。

 いずれにしても、1車種年間10万台以上の販売見込みがないと、メーカーも本腰を入れる状況にはならない。ガソリン車時代の活気を少しでも取り戻すには早期の他メーカー参入が望ましいところだ。