水産庁は1日、日本海の暫定水域に隣接した日本の排他的経済水域での韓国漁船の違法操業を撲滅するため、今月から来年5月までの間、この海域を重点取締海域として、漁業取締船と取締航空機を重点配備するなど、取締体制を強化すると発表した。海上保安庁とも連携をとって対応していくとしている。
水産庁が取締体制を強化する背景として(1)日本海の暫定水域を隠れ蓑に、日本の排他的経済水域に密漁漁具を敷設する韓国漁船(刺し網、バイ篭、カニ篭など)が漁具に浮標を付けず、取締船の摘発を逃れたり、レーダーマストを改造して、漁業取締船等の接近をいち早く発見し逃走するなど、違反の態様が巧妙化していること(2)ズワイガニを狙った操業が活発化する11月から翌年5月にかけては、刺し網及びカニ篭により多量のズワイガニが密漁されるだけでなく、我が国沖合底びき網漁船の網に韓国漁船の密漁漁具が絡むなどの被害も毎年多発しているため、と説明している。
水産庁では特に密漁漁具の設置防止、発見時の押収、密漁漁船の拿捕など、山陰海域での取締強化を図るとしており、山陰沖での密漁漁具の押収件数は昨年22件、今年に入って10月15日までに10件あがっている。
(編集担当:福角忠夫)