多くの企業が取り組む周年記念事業、今後の成長に繋げられるか

2013年04月06日 19:44

 帝国データバンクの調査によると、2013年に周年を迎える企業は全国で13万5275社あるという。同社の調査は10年刻みで抽出されているが、5年毎に節目を刻む企業も少なくないことから、実際に周年を迎える企業はさらに多くなると見られる。こうした周年に対しては、パーティー開催や社史編さんといった社内向けイベントのほか、社外向けイベントが実施されることも少なくない。

 例えば、今年50周年を迎えるパナホーム<1924>は、屋根の上に太陽光発電パネルを載せるという従来の住宅の発想を転換し、太陽光発電パネルそのもので屋根を構成する住宅「エコ・コルディス」を創業50周年記念商品として開始。10kW以上の大容量太陽光発電パネルを搭載し、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を利用した場合の売電収入は、条件により年間約51.5万円となり、20年間で約1000万円以上の収入も可能だという。従来、搭載が困難であった一般的な延床面積(35坪程度)の2階建住宅においても搭載できる。また、「第9回エコプロダクツ大賞<エコプロダクツ部門>」で国土交通大臣賞を受賞した「家まるごと断熱」や「エコナビ搭載換気システム」の他、対応家電機器を制御できる「スマートHEMS」(AiSEG)等の先進設備も採用されており、パナソニックグループが持つ先進のエネルギー技術を集結した商品となっている。

 また、ハウス食品<2810>も2013年に周年を迎える企業である。ハウス食品の設立は1947年であるものの、創業は1913年であり、今年100周年を迎える。今のところ、この100周年を記念した大々的なイベント等は見られない。しかし同社の看板商品である「バーモントカレー」も発売から50周年を迎え、これを記念したキャンペーンを実施。CMキャラクターであるHey!Say!JUMPとのランチパーティやQUOカードなどが合計5060名に当たるもので、至極オーソドックスなキャンペーンとなっている。

 その他、トンボ鉛筆や住友化学<4005>が100周年、タニタは90周年、キリンビバレッジやニュー・オータニも50周年を迎える。帝国データバンクのデータによると、2012年9月時点での企業の平均年齢は35.6歳だという。こうした中、平均を大きく上回る企業年齢は、対外的信用が高まる大きな要素である。周年を機に、その「企業らしさ」を前面に押し出した広報活動ができれば、その効果はより高まるであろう。ただただ派手に祝う周年記念ではなく、いかに今後の事業展開や企業イメージの形成に寄与するイベント・キャンペーンができるかが大きなポイントとなる。周年を迎える各社がどういった動きをみせるのか、注目に値するのではないだろうか。(編集担当:井畑学)