積水ハウス<1928>は10日、東京・帝国ホテルで記者会見を行い、オーストラリアの事業開発案件において現地最大手のデベロッパーであるLend Leaseグループと業務提携を行うことで合意に至ったと発表した。
Lend Leaseグループは、開発や投資管理、プロジェクトマネージャーなど、幅広く事業を行う不動産総合開発のリーディングカンパニー。不動産関連の多様なバリューチェーン手法を用い、オーストラリア、アジア、欧州、中東、アフリカ、アメリカなどにおいて事業を展開している。
積水ハウスは海外事業の強化について、人口の増加による安定した住宅需要と今後の経済発展が見込まれ、環境や省エネに対する取り組みに積極的であるオーストラリアへ進出。2008年12月に現地子会社Sekisui House Australia Holdingsを設立し、ニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州において住宅地開発や住宅販売など3つの開発プロジェクトを進めている。今後はこれらのプロジェクトへのLend Leaseグループの参画や、Lend Leaseグループが進めているハイアット・クーラム(クイーンズランド州)での宅地造成開発事業やセラータ(ヴィクトリア州)での分譲マンション事業に参画し、積水ハウスが環境に配慮した住宅技術や高品質な住宅の供給を行うなど、多岐にわたるプロジェクトで協力関係を築いていく。
このたびの合意によって両社は、オーストラリアにおける環境に配慮した住まいづくりや街づくりを推進。Lend Leaseグループは、住宅全体を使った持続的で総合的な環境性能において世界トップレベルの技術を誇る積水ハウスの技術を吸収し、積水ハウスは世界20カ国以上で事業を展開しているLend Leaseグループが持つデベロッパーとしてのノウハウを活用。環境問題に高い意識を持つ両社が双方の強みを相互提供することで相乗効果を起こし、全世界的な流れとなっている”環境”に対する取り組みに力を注ぐ。
会見にて積水ハウスの和田勇会長は「今回の提携を足掛かりに、オーストラリアでの住宅事業の売上高を3年後には1000億円規模に成長させたい」と具体的な数値目標を発表。提携後のオーストラリアにおける事業の拡大に大きな期待を寄せていることをうかがわせた。
(編集担当:上地智)