島津製作所 <7701> は、食品や大気中の「におい」を業界初のマッピング機能によって視覚的に容易に把握することができる「におい識別装置 FF-2020システム」を7月26日より発売する。
「におい識別装置」は、半導体センサー技術と9種の基準ガスを用いることによって、サンプルバッグや専用瓶に収集したにおいの質と強さを絶対値で表現できる装置。1999年に初代装置を、2003年に二代目の装置を発売以来、食品分野と悪臭分野を中心として業界トップシェアを有している。
近年、消費者の嗜好の多様化と共に香りのトレンドの変化もスピードアップしており、食品の製品開発の現場では消費者の好みを先取りし、香りの微妙な違いによって製品の差別化を図ることが求められている。そのため、消費者の声を迅速に反映できるマーケット部門が中心となり、分析ラボや研究所といった研究開発部門と共に、簡単・迅速ににおいを測定するニーズが高まっていた。
従来製品では無臭を基準とし、測定したいにおいを「アルデヒド系」「硫黄系」など9項目から成るレーダーチャートで表していたが、同製品ではそれに加え、基準となるにおいに香料や実サンプルから抽出した任意の2つのにおいを少しずつ加えることで二次元の評価軸を作成。測定したいにおいが評価軸上のどこに位置するかをマッピングして、においの違いを視覚的に表す機能を搭載している。ポイントはにおいを加えても全体のにおいの強さが変わらないように自動で希釈する仕組み。主に食品の商品開発部門でのにおい・風味の調整や賞味期限の基準づくり、においが気になる場所での原因推定や異臭の数値化といった用途に活用することができるという。
同社は今回、新たにマッピング機能により複数のにおい間の違いを視覚的に把握できる同製品をラインナップに加えることにより、食品・悪臭分野を中心としたにおい市場での更なる拡販を目指す。
(編集担当:宮園奈美)