世界唯一の被爆国ではあっても米国の核の傘下での核抑止力に頼り、北朝鮮の動きを抑制している状況下では「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」との文言の入った「核の非人道性」の共同声明には日本政府としては賛同できない。
スイスなど70カ国以上が支持した「核兵器の非人道性」を指摘した共同声明がジュネーブの国連欧州本部で開かれている核拡散防止条約再検討会議への第2準備委員会で提出されたが、日本は賛同する環境にないという状況を浮き彫りにした。これは米国の核傘下での日本の安全保障の位置を浮き彫りにすることにもなった。
菅義偉官房長官は25日の記者会見で、日本政府が賛同しなかった理由について「いかなる状況においても核兵器を二度と使用されないことが人類の生存にとって利益となるとの箇所がある。現実的に、わが国を取り巻く厳しい安全保障状況で『いかなる状況』という文言は削除してほしいと働きかけをしたが(この部分は削除されなかったため)、日本の安全保障の状況を考えた時に賛同を見送ったということだ」と説明した。(編集担当:森高龍二)