主権回復式典ご退席時に「天皇陛下万歳」

2013年04月29日 15:17

 サンフランシスコ講和条約発効により主権を回復した4月28日を「主権回復・国際社会復帰の日」として、28日、都内の憲政記念館で政府主催で催された記念式典で、菅義偉官房長官が閉会の辞を述べ、式典にご臨席されていた天皇皇后両陛下がご退席の際、会場から「天皇陛下、ばんざーい、ばんざーい」と万歳が起こった。

 「日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴」(憲法1条)である天皇陛下に対して、万歳がどのような意味を有するのか。式典終了後のことながら「政治利用につながらないか」。今後、政府主催により毎年開く場合には慎重な対応が求められそう。

 佐藤正久防衛大臣政務官は「最後は予定になかった天皇陛下万歳も」と天皇陛下万歳が予定になかったことをツイッターでつぶやいている。

 式典の開会から閉会まで全編を配信・公開している政府のインターネットテレビでは「天皇陛下万歳、万歳」の部分のうち、「天皇陛下」の部分の音声をカットし配信しているものと思われる。万歳は最前列中央あたりで最初の1回が起こり、2回目と3回目はこれにあわせて会場に広がった。1回目の部分の万歳は音声が拾われていないか、意図的にカットされたもよう。

 社民党は天皇陛下の式典参加そのものに天皇の政治利用の疑念があるとし、共産党は政治的利用といわなければならないと問題提起する。(編集担当:森高龍二)