山田養蜂場は、スギ花粉が飛散する前からブラジル産プロポリスを予防的に摂取することで、花粉飛散後の発症を遅らせ、鼻づまりの発症率を低下させることを、ヒト臨床試験にて確認した。
スギ花粉症は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、眼のかゆみなど生活の質(QOL)を低下させる重大な国民病のひとつ。現在治療薬として主流となっているステロイドなどは、眠気や口内、眼の乾きなどの副作用が強く、生活の質を低下させる恐れがある。そのため、症状が発症する前の予防が重要といわれ、現在はマスクの着用や手洗い、うがいなどが主に行われている。また、近年では、甜茶や乳酸菌、紫蘇などの摂取による予防が注目を浴びつつある。これら食品の摂取により花粉症の症状を軽くすることが可能となれば、症状の予防にとどまらず、社会全体にとって大きな価値をもたらすことが期待される。
そこで、はちみつやプロポリスなどのミツバチ産品の有効性を解明する研究を行う同社では、プロポリスの予防的な長期摂取がどの程度花粉症の症状を軽くするかについて研究。長年に及ぶ研究の結果、その効果を解明し、日常的な摂取に対する安全性も確認してきた。今回は、2005年の結果をもとに、スギ花粉症の症状軽減作用を示すプロポリスの最適な摂取量について調べた。
今回の研究は、毎年治療を受けているスギ花粉症患者80名を対象に実施。無作為に分けた4群に、ブラジル産プロポリスを含む錠剤または、プロポリスを含まない錠剤をスギ花粉飛散前から各々12週間摂取させた後、プロポリスがスギ花粉症の症状をどの程度軽くするかを調べた。その結果、プロポリスを1日に300mg以上摂取した群の花粉症の発症を遅らせることができ、また、1日に450mg摂取した群では、8週間後および12週間後の鼻づまりの発症率を低下させることができた。
今回の研究から、1日300mg以上のプロポリスを花粉の飛散前から長期的に摂取することにより、花粉症の症状を軽減させることが判明した。同社では、今後も花粉症の症状軽減をはじめとする様々な疾患に対するブラジル産プロポリスの効果を解明し、社会に貢献していく考えだ。