12年連続3万人超の自殺に閣僚レベルの対策会議

2010年02月05日 11:00

 鳩山由紀夫首相は2月4日開かれた参議院決算委員会で、12年連続して、毎年、自殺者が3万人を超えるという異常な事態が続いていることについて「自殺対策をもっと強化したい」と語った。

 自殺対策担当大臣でもある福島みずほ消費者・少子化担当大臣は「現在、自殺対策緊急戦略チームを発足させて取り組んでおり、近日に閣僚レベルでの自殺対策総合会議を開き、(政府全体としての)自殺対策緊急強化プランをまとめ、発表したい」とした。

 自殺対策緊急強化プランでは「連帯保証制度の見直しもあるかもしれない」と検討対象にする意向を示唆した。多重債務に対する対応も俎上にあがるもよう。

 また、鳩山首相は「(自殺の)主たる要因は経済的要因であり、そのためにも、新たな雇用の創出を図り、居場所と出番をつくることが大事」と語るとともに「高齢者が誰にも見取られずにお亡くなりになっていくということも含め、互いに支え合う社会にかえていくことが大事」と強調した。

 これは、民主党・柳澤光美参議院議員の質問に答えたもの。

 福島みずほ消費者・少子化担当大臣はさきの記者会見で「昨年1年間の自殺者は3万2753人になった(警察庁調べ)。大変深刻に受け止めている。緊急強化策では、年間を通じて自殺者が一番多い3月を自殺対策強化月間と定めて、関係省庁、地方公共団体、関係団体と連携して、重点的に広報・啓発キャンペーンを行い、ワンストップ相談窓口等の関連施策を集中的に実施する。地域ごとの自殺統計データを詳細に分析して提供することによって、地域の実態を踏まえたきめ細かな対策を講じられるようにする」などをあげた。

 また、「地域によっては、女性の職のない方が自殺をされたり、地方都市で多重債務で亡くなる方が多いとか、少しずつ地域性もある。それに着目した、現実に立脚した、きめ細かな対策を講ずることによって、死に追い込まれる人を本当になくしたい」と話していた。
(編集担当:福角忠夫)