【日経平均】変動幅1026円の乱高下の末に終値128円高

2013年05月24日 20:11

 NYダウは12ドル安。「東京の暗黒の木曜日」の影響でヨーロッパ市場に続きNY市場の午前も一時100ドルを超える大幅安になったが、新規失業保険申請件数が市場予測を上回り、新築住宅販売件数が堅調だったため終値は小幅安まで持ち直した。為替も東京ショックでドル円は100円台、ユーロ円は130円割れまで円高が進行したが、24日朝方の為替レートはドル円は102円台前半、ユーロ円は132円台前半まで円安に戻した。

 1987年10月20日の「ブラックマンデー連動暴落」の時も3836円下げた翌日に2037円上げたように「半値戻し」が期待された日経平均は、247.77円高の14731.75円で始まった。TOPIXは1200台を回復。最初の10分間で14800円、14900円を次々突破。午前9時15分に15000円台にタッチしたが、半値戻しラインの15055円は突破できないまま利食いが入って14700円台まで下落。それでも前場は14900円前後で堅調に推移した。

 ところが後場は14800円台で始まりながら午後1時前から先物主導で突然の下落が始まり、一気に下げて1時45分には14000円も割り込む。円高が進行して101円台になり債券先物市場の不安定さが続いた背景以外に、前日同様アルゴリズム取引で下げ足が速まった、先物の裁定解消売りの影響、前日の下落で追証を求められて換金売りが出たなど、さまざまな憶測が飛び交う。このまま続落するかと思われた午後2時半すぎ、為替レートは動かず「日銀砲」も撃たれずとも再び上昇が始まりTOPIXに続き日経平均もプラスに浮上。こうして1日の変動幅が1026円というジェットコースターのような乱高下の末、日経平均終値は128.47円高の14612.45円で、大波乱で525円下落した今週の取引を終えた。上昇幅は前日下落分の半値戻し571円高には遠く及ばず、TOPIXは+5.74の1194.08で1200に届かず、値上がり銘柄は912、値下がり銘柄は718。売買高は58億株、売買代金は4兆8811億円だった。

 上昇した業種は電気・ガス、空運、建設、水産・農林、精密機器、不動産など。下落した業種は石油・石炭、パルプ・紙、卸売、鉱業、倉庫、陸運などだった。

 日経平均寄与度のトップは京セラ<6971>で、380円高で15円押し上げ、株価マイナスの時間帯が長かったソフトバンク<9984>とファーストリテイリング<9983>の合計16円と拮抗。2時台のリカバリーには日揮<1963>、アドバンテスト<6857>、トレンドマイクロ<4704>などが貢献していた。

 東京電力<9501>は63円高で値上がり率12位、売買高2位、売買代金1位に入り、原発再稼働期待の東電人気はなお続く。卸電力のJパワー<9513>は新日鐵住金<5401>と共同で石炭火力発電所の建設を検討と報じられ265円の大幅高。新日鐵住金は値動きなし。金利高の影響かメガバンク3行と野村HD<8604>は揃ってマイナスだったが、不動産大手3社は揃って上昇した。

 自動車はトヨタ<7203>が60円安、「マーチ」「キューブ」のリコールを届け出た日産<7201>は13円安だったが、三菱自動車<7211>は4円高で売買高3位、マツダ<7261>は21円高で同4位、ホンダ<7267>は30円高、富士重工<7270>は60円高と買われていた。電気機器はIGZO液晶をスマホ、タブレット全機種に搭載すると発表したシャープ<6753>が43円高で値上がり率18位、売買高7位、売買代金10位に入る人気ぶりだったが、ソニー<6758>は後場に沈んで11円安。26日に臨時便でボーイング787の運航を再開するANAHD<9202>は9円高で売買高11位に入っていた。

 前日の「値上がり銘柄17人衆」のフルキャストHD<4848>がストップ高で続伸し値上がり率1位になり、同じ人材派遣のテンプHD<2181>も連れ高で同8位に入った。セブン&アイHD<3382>はセブンイレブンの「いれたてコーヒー」の今期販売目標を4割引き上げると報じられ95円高。単価100円でも年間売上450~480億円で、それだけで中堅企業並みの規模がある。

 この日の主役は地方銀行株。値上がり率ランキングでは、3位に首都圏が基盤の八千代銀行<8409>、4位に岡山県のトマト銀行<8542>、6位に荘内銀行と北都銀行が経営統合した東北基盤のフィデアHD<8713>、16位に鳥取銀行<8383>が入った。新潟県の大光銀行<8537>と北越銀行<8325>も買われていた。代表格の横浜銀行<8332>は2円高、千葉銀行<8331>は1円高。黒田日銀総裁が昼休みの講演でも午後の衆議院財務金融委員会でも「国債市場の安定化が望ましい」と繰り返しても、債券先物市場は連日の日銀の国債買入オペにもかかわらず不安定で、長期金利は一時0.9%台になっていた。そんな債券市場の不安定、長期金利上昇の影響をもろに受けて今週は下落が続いた地銀セクターだが、さすがに「下がりすぎ」とみられたようで、この日は買い戻されて大幅上昇する銘柄が出ていた。(編集担当:寺尾淳)